中国の独占を阻めるか?LGESが仕掛ける「脱リチウム」ナトリウムイオン電池の南京生産

Battery技術

LGESは、中国・南京工場にナトリウムイオン電池のパイロット生産ラインを構築し、2026年内の完工とサンプル出荷を目指しています。

1. 生産・開発の戦略的拠点

同社は「研究・試作・量産検証」のプロセスを3拠点で分担する体制を整えています。

  • 韓国・大田(テジョン)技術研究院: 研究開発(R&D)の拠点。
  • 韓国・五昌(オチャン)事業場: 「マザーファクトリー」として初期試作品(Aサンプル)を生産。
  • 中国・南京工場: 量産性を検証する完成製品(B/Cサンプル)の生産拠点。中国に拠点を置く理由は、ナトリウムイオン電池に不可欠な正極材などの素材サプライチェーンが世界で最も成熟しているためです。

2. ナトリウムイオン電池の4つのメリット

リチウムの代わりに安価で豊富な「ナトリウム」を使用することで、以下の利点が得られます。

  • 圧倒的なコスト優位性: ナトリウムの価格はリチウムの約100分の1以下。銅の代わりに安価なアルミニウム箔を負極に使用できることもコスト削減に寄与します。
  • 低温環境に強い: マイナス20度でも高い容量維持率を誇り、冬場の走行距離低下というEVの弱点を克服します。
  • 高い安全性: 高温でも安定しており、ゼロボルトでの輸送が可能なため発火リスクが極めて低いです。
  • 急速充電: リチウムイオン電池よりも高速な充電が可能であるという研究結果が出ています。

3. 次世代バッテリーの商用化ロードマップ

LGESはナトリウムイオン電池以外にも、多様なニーズに応えるポートフォリオを展開しています。

  • 2026年: ナトリウムイオン電池のパイロットライン完工・サンプル生産。
  • 2027年: ナトリウムイオン電池の本格的な商用化(12V補助バッテリーやESS、普及型EV向け)。
  • その他: 全固体電池(2030年頃)、リチウム硫黄電池などの開発も並行して加速。

関連情報:激化するグローバル開発競争

  • 中国勢の先行: 中国のCATLは、2026年までにナトリウム電池を乗用車、商用車、蓄電システム(ESS)で大規模に展開する計画を発表しています。すでに中国国内では一部の低速EVで実用化が始まっており、LGESはこの「中国主導」の市場に風穴を開ける必要があります。
  • 素材の共同開発: LGESの親会社であるLG化学(LG Chem)は、2025年11月に中国石油化工集団(シノペック)とナトリウム電池用素材の共同開発契約を締結。グループ全体でサプライチェーンの垂直統合を急いでいます。
  • 市場予測: 中国のナトリウム電池市場は、2025年の10GWhから2034年には292GWh(年間平均成長率45%)まで拡大すると予測されており、リチウム価格の変動リスクを回避する重要な代替手段と見なされています。

出典:https://m.etnews.com/20260120000296

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