2026年1月13日、Geotab社は22,700台以上の電気自動車(EV)から得られた数年分の走行データを分析した最新レポートを公開しました。急速充電(DC急速充電)の利用頻度が高まっているものの、現代のバッテリーは多くのユーザーが想定する車両寿命を十分に上回る耐久性を備えていることが明らかになりました。
主なデータ推移と要因
- 平均劣化率: 年間 2.3%(2024年調査時の1.8%から微増)。
- 劣化率上昇の背景: これはバッテリー性能の低下ではなく、100kWを超える高出力DC急速充電の利用機会が増えたというユーザーの行動変化を反映しています。
劣化を左右する3つの主要因
今回の調査では、バッテリーの健康状態(SOH: State of Health)に影響を与える要因が明確化されました。
| 要因 | 影響の度合い | 詳細 |
| 充電出力 | 大(支配的) | 100kW超の急速充電を多用する車両は年間約3.0%劣化する一方、AC充電中心なら約1.5%に留まる。 |
| 使用環境(温度) | 中 | 高温地域での走行は、温暖な地域よりも劣化が年間約0.4%早まる。 |
| 使用頻度(走行距離) | 小 | 使用頻度が高い車両は低い車両より年間約0.8%劣化が進むが、運用の収益性がそのコストを上回る。 |
関連補足:バッテリーを長持ちさせるための「新常識」
従来のEV利用において「20%から80%の充電範囲を守るべき」という厳格なルールがありましたが、最新データはこの考え方に新たな視点を与えています。
1. 状態の維持が重要
劣化が加速するのは「常に満充電(100%)」または「常に空に近い(0%付近)」状態で放置された場合のみです。全時間の80%以上をこの極端な状態で過ごさない限り、日常的に広い範囲(例:10%から90%)を使用しても大きな悪影響はありません。
2. 「バランス」の最適化
商用フリート(車両群)の管理において、全ての充電を急速充電にするのではなく、運用に支障のない範囲で「最も低い出力の充電器」を選択することが、長期的なバッテリー資産価値を守る鍵となります。
3. SOH(健全性状態)とは
バッテリーが新品時(100%)と比較して、現在どれだけのエネルギーを蓄えられるかを示す指標です。例えばSOH 80%の場合、元々60kWhの容量があったバッテリーは、実質48kWhの容量として機能していることになります。
まとめ
Geotabのシニアマネージャー、シャーロット・アーグ氏は「最新のバッテリーは、一般的な車両の入れ替えサイクルをはるかに超えて持続する」と強調しています。急速充電という便利なインフラを賢く利用しつつ、データに基づいた充電戦略を立てることで、EVの利便性と資産価値を両立できる時代になっています。
出典:https://www.geotab.com/press-release/ev-battery-health-degradation-fast-charging-study/


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