Ilika、自動パイロットラインで製造した10Ah固体電池を自動車メーカーへ納入

Battery主要部材

Ilika社は、電気自動車(EV)市場の変革を狙う**大型全固体電池「Goliath(ゴリアス)」**の10Ahプロトタイプを、自動車メーカーを含む主要顧客へ出荷開始しました。

1. 技術的進歩と主要スペック

今回の出荷は、2024年7月に納入された2Ah(P1プロトタイプ)から容量を5倍に拡大させた重要なステップです。

  • 独自の酸化コーティング: セルに特殊なコーティングを施すことで安全性を飛躍的に高めています。
  • 軽量化とコスト削減: 従来の液系リチウムイオン電池に比べ、冷却システムや保護筐体を簡素化できるため、バッテリーパック全体の重量を20%削減。車両1台あたり2,500ポンド(約47万円)のコストダウンが見込まれています。
  • 高水準の製造品質: 2025年10月に稼働した自動パイロットラインで製造され、**歩留まり(製造成功率)93%**を達成。これは商用化に向けた基準を大きく上回る精度です。

2. 今後のロードマップ

Ilika社は段階的なスケールアップ戦略をとっています。

段階セル容量出荷・予定時期ステータス
P12Ah2024年7月納入完了
P1.510Ah2025年12月今回出荷開始
P250Ah2026年中初期サンプル作成中

3. 関連情報:なぜこのニュースが重要なのか?

  • 全固体電池の優位性: 従来の電池と異なり電解質が固形であるため、燃えにくく、エネルギー密度が高いのが特徴です。「航続距離の延長」と「充電時間の短縮」を両立する次世代技術として期待されています。
  • ライセンスビジネスモデル: Ilika社は自社で巨大工場(ギガファクトリー)を持つのではなく、技術を確立して自動車メーカーや電池メーカーにライセンス供与することを目指しています。今回の出荷成功は、その交渉における強力な証明(プルーフ・オブ・コンセプト)となります。
  • 英国・欧州の戦略: 中国や韓国の電池メーカーが液系電池で圧倒的なシェアを持つ中、英国および欧州は全固体電池のような「次世代技術」での逆転を狙っており、Ilika社はその戦略の中核を担っています。

まとめ

今回の10Ahプロトタイプの出荷は、Ilika社がラボレベルの技術を「工業製品」として安定生産できる段階に引き上げたことを意味します。2026年の50Ah(実用サイズに近い容量)の出荷に向けた準備は整っており、自動車業界による評価が今後のライセンス契約の鍵を握ることになります。

出典:https://www.ilika.com/latest-news/ilika-ships-10ah-goliath-battery-prototypes

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