米国に本社を置く次世代バッテリー技術のリーダー、EnPower, Inc.(エンパワー)は2026年1月6日、インディアナ州インディアナポリスの本社工場において、最先端のバッテリーセル組立設備への大規模投資を行うと発表した。
1. 投資の概要と狙い
今回の投資は、主に無人航空機(UAV)および防衛分野向けの高性能バッテリーセル組立ラインの導入に充てられる。
- 稼働予定: 2026年第2四半期までに本格稼働を開始。
- 生産能力の増強: 年間組み立て能力が 60MWh 追加され、国内需要への対応力が飛躍的に向上する。
- 技術的特徴: 最新鋭の自動化設備により、電極処理から品質管理までエンドツーエンドの自動化を実現。
2. 戦略的背景:米国のエネルギー自立と国防
EnPowerのCCO、ドリュー・ロシエ氏は、今回の投資が「米国のバッテリーサプライチェーン強化に向けた重要な一歩」であると強調している。
- 非FEOC戦略: 同社は、懸念される外国事業体(FEOC)に依存しない「100%非FEOC」の材料調達戦略を確立しており、今回の組立能力拡大と合わせることで、比類のないサプライチェーンの回復力を実現する。
- ドローン優位性: インディアナ州の「ドローン優位タスクフォースイニシアチブ」に呼応する形で、米国のドローン技術におけるリーダーシップを支える。
3. 関連情報:なぜ「60MWh」と「UAV」なのか
今回の発表には、現在のバッテリー市場の動向を反映した重要な側面が含まれている。
- UAV(ドローン)特化の重要性: ドローン用バッテリーは、一般的なEV用よりも高い出力密度と信頼性が求められる。EnPower独自の電極技術は、急速充放電と過酷な環境下での安定性に強みを持つ。
- 「小規模・高付加価値」からの拡大: 60MWhという規模は、巨大なEV向けギガファクトリーと比較すれば限定的だが、高性能な特殊セル製造としては国内最大級の規模。まずはニッチながら戦略的に重要な防衛市場を固める狙いが見える。
4. 地域経済への影響
インディアナ州は近年、EVバッテリー関連の投資が集中しており、米国中西部の「バッテリーベルト」の一部として急速に成長している。EnPowerによる今回の投資は、高度な技術職の雇用創出や、地域のドローン産業エコシステムの発展に大きく寄与すると期待されている。


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