フォックスコン、自社バッテリー生産を本格拡大へ: EV市場での地位確立を目指す

Battery技術

世界的な受託製造大手である台湾のフォックスコン(Foxconn)は、自社でのバッテリー生産を本格的に拡大する計画を発表しました。2022年から台湾・高雄で進めてきたバッテリー工場建設を経て、現在は小規模ながら生産を開始しており、今後は生産規模と製品ラインナップを急速に拡大することで、EVおよびエネルギー貯蔵市場における競争力強化を目指します。


📰 生産拡大計画の概要

項目詳細
工場所在地台湾・高雄
生産開始時期2025年3月から「立ち上げモード」で小規模生産を開始
バッテリー化学LFP(リン酸鉄リチウム)セル
初期生産能力0.5GWh(500MWh)で開始
中期生産能力目標2026年までに1.2GWhに到達予定
初期製品大型商用車用 230Ahセル(現在市内バスに搭載)
将来の製品EV用 120Ahセル、定置型ストレージ用 320Ahセル

📈 慎重かつ意欲的な生産拡大戦略

フォックスコンのグローバルバッテリー戦略担当副社長であるTroy Wu氏は、「我々はここで小規模で、プロセス全体を掌握したことを実証しています。これはどこでも複製および拡張できます」と述べ、生産拡大に先立ち、製造工程の習熟を重視していることを強調しました。

  • 現在の生産規模:電気バス約1,500台分に相当。
  • 2026年の目標:電気バス約3,000台分に相当する生産量を目指します。

同社は、高雄での経験を活かし、「このコンセプトを世界中で模倣し、2年間の立ち上げ期間を含め、4年以内に10GWhの工場を建設できる」という楽観的な見通しを示しています。

🔗 統合サプライチェーンと脱中国依存

フォックスコンのバッテリー事業における大きな強みの一つは、地元のサプライヤーと構築した統合サプライチェーンです。

  • 地産地消戦略:材料の80%以上を台湾メーカーから調達しており、中にはフォックスコンが出資する企業も含まれます。
  • 戦略的意義:これは市場で購入するよりも若干コストがかかるものの、中国への依存度を下げるという戦略的な狙いがあります。安定したサプライチェーンの確保は、世界的な生産拠点拡大の基盤となります。

🔬 バッテリー性能の継続的な向上

フォックスコンは、セルの技術開発も並行して進めています。

項目現行/初期目標将来目標
エネルギー容量 (LFP 230Ahセル)175 Wh/kg185 Wh/kgに向上予定
急速充電短縮予定
耐久性10,000サイクル12,000回(充放電サイクル)に向上予定

🚗 自社EVへの応用と「リファレンスデザイン」戦略

フォックスコンは現在、計画中の自動車用セルの顧客をまだ獲得していませんが、自社製の電気自動車(EV)へのセル利用も視野に入れています。

  • フォックストロン(Foxtron):フォックスコンは、自社技術をベースにしたEVの「リファレンスデザイン」を**「フォックストロン」**という名称で展示しています。
  • 国際展開:北米向けのモデルCクロスオーバーの認証取得に取り組んでおり、米国での潜在顧客も模索中です。
  • ビジネスモデル:同社は従来の受託製造(EMS)のビジネスモデルをEVにも適用し、各顧客の設計に基づいて車両を製造する計画です。

このバッテリー内製化とサプライチェーン構築の動きは、フォックスコンが単なる受託製造企業から、EVサプライヤーとしての地位を確立し、巨大な電動化市場における主要プレーヤーとなるための重要な戦略と位置づけられます。

出典:https://batteryindustry.net/foxconn-to-scale-up-its-own-battery-production/

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