LGエネルギーソリューション(LGES)とPOSTECH(浦項工科大学)、成均館大学の共同研究チームは、リチウムイオン電池の低温性能と熱安全性という相反する課題を同時に改善する電解質コア技術の開発に成功しました。
この技術は、極低温環境での利用や、次世代の高容量バッテリーの実用化を加速させるものとして注目されています。
🧪 開発された技術の概要
| 項目 | 詳細 |
| 開発技術 | ATP(アリルトリメチルホスホニウム)系イオン性化合物を活用した多機能性電解質技術 |
| 技術的ブレークスルー | 電解質の凍結点を下げ、粘度を低下させることで、低温でのイオン移動の低下を抑制。また、負極の界面反応を調節し、熱暴走の原因となる反応を抑制。 |
| 改善された課題 | 1. 低温(零下)でのバッテリー容量の急激な低下 |
| 2. 高容量化に伴う熱暴走(熱安定性)の悪化 |
📊 研究成果の具体的なデータ
| 性能項目 | 達成された成果 | 従来のバッテリーとの比較 |
| 低温性能 | 零下20℃環境で100回サイクル後、**約87%**の高い容量維持率を達成。 | 通常は同じ条件で約10%前後の容量維持率。 |
| 熱安全性 | 熱暴走(発熱量)を約90%以上抑制。 | 高容量のシリコン負極電池に適用した際の、発熱量を大幅に抑制。 |
📚 掲載学術誌
この研究成果は、以下のエネルギー分野の最高権威学術誌に掲載されました。
- 「Advanced Energy Materials」
- 「Journal of Materials Chemistry A」
🌍 応用分野と将来展望
- 極低温環境用バッテリー: 寒冷地での電気自動車(EV)や、特殊な軍事・宇宙用途のバッテリーなど、極限環境で安定動作が求められる分野。
- 次世代バッテリー: 高容量化の鍵となるシリコン負極電池の熱安全性を確保し、実用化を加速。
- 将来的な拡張性: POSTECHの研究チームは、このATPイオン性化合物の分子設計の自由度を活用し、全固体電池やリチウム金属電池など、さらに次世代のバッテリー技術への応用可能性についても言及しています。
🤝 共同研究体制
本研究は、LGESのセル製作・分析インフラ、POSTECHのイオン性化合物合成能力、成均館大学の界面分析技術が見事に融合した、模範的な産学協力モデルとして評価されています。
🌐 LGESの産学協力活動(関連情報)
LGエネルギーソリューションは、今回の成果に加えて、国内外のトップクラスの大学や研究機関と幅広く連携しています。
- 国内協力先: 延世大学、高麗大学、POSTECH、漢陽大学、KAISTなど
- 海外協力先: 米国カリフォルニア大学サンディエゴ(UCSD)、ドイツミュンスター大学など
- 共同研究センター「FRL(Frontier Research Lab)」などを通じて、グローバルな研究開発体制を構築しています。
この革新的な電解質技術は、EVの航続距離や安全性向上に直結するものであり、今後のバッテリー市場においてLGESの技術的優位性を高めることが期待されています。
出典:https://www.lgensol.com/kr/company-newsroom-detail?seq=8693


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