フォード、BYDとの協力で「HVシフト」を加速。米国外市場での競争力強化狙う

Battery技術

米自動車大手のフォード・モーターと、中国のEV・バッテリー最大手であるBYD(比亜迪)が、ハイブリッド車(HV)用バッテリーの供給に関する提携交渉を進めていることが、2026年1月15日のウォール・ストリート・ジャーナル紙などの報道で明らかになりました。

この交渉が成立すれば、フォードは北米以外の地域(欧州や南米など)の工場向けに、BYDから高度なバッテリー技術を調達することになります。

提携の背景と狙い:EV失速とHV需要の拡大

自動車業界では現在、純粋な電気自動車(BEV)の需要の伸びが鈍化する一方で、ガソリン車とEVの長所を併せ持つハイブリッド車やプラグインハイブリッド車(PHEV)への注目が再び高まっています。

  • フォードの戦略転換: フォードは最近、BEVの開発計画の一部を縮小・延期し、HVや航続距離延長型EV(EREV)への投資を拡大する方針を示しています。2030年までに世界販売台数の約半分を電動車(HV、PHEV、BEV)にする目標を掲げています。
  • コストと技術の両立: BYDは、低コストで安全性の高いリン酸鉄リチウム(LFP)バッテリー「ブレードバッテリー」で世界をリードしています。フォードはこの技術を取り入れることで、国際市場における価格競争力を高める狙いがあります。

中国市場ではすでに「BYD製電池」搭載のフォード車が登場

フォードとBYDの協力関係は、すでに中国国内で実を結んでいます。

  • 新型「ブロンコ」への採用: 2025年12月、フォード中国はオフロードSUV「ブロンコ」の電動モデル(BEVおよびEREV)を発売しました。このモデルには、BYDの子会社であるFinDreams(弗迪電池)製のLFPブレードバッテリーが搭載されています。
  • EREV(航続距離延長型)の性能: 中国版ブロンコのEREVモデルは、1.5リットルターボエンジンを発電専用として搭載し、BYDの43.7kWhバッテリーと組み合わせることで、合計航続距離1,220kmを実現しています。

バッテリー市場の勢力図(2025年11月データ)

中国自動車電池イノベーション連盟(CABIA)によると、LFPバッテリー市場では依然としてCATLとBYDの2強体制が続いています。

順位企業名設備容量 (GWh)市場シェア
1CATL28.0937.31%
2BYD19.0425.28%
3Gotion High-tech5.867.78%

今後の展望と課題:政治的逆風と国際展開

今回の提携交渉は、米国内の政治情勢という大きな壁に直面しています。

  • 米国内の反発: フォードはすでにミシガン州でCATLの技術ライセンス供与を受けたバッテリー工場の建設を進めていますが、米議会の一部からは「中国企業への依存」を懸念する批判の声が上がっています。
  • 「米国外」が鍵: そのため、今回のBYDとの交渉は、米国内ではなく「米国外」の工場向けに限定して協議されている模様です。

交渉は現在も継続中であり、最終的な合意に至るかは不透明ですが、グローバルな自動車メーカーが生き残りをかけて、中国の先進的なバッテリー技術を取り込もうとする動きはさらに加速しそうです。

出典:https://cnevpost.com/2026/01/16/ford-byd-in-talks-hybrid-car-battery-partnership/

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