中国の高級車ブランド「紅旗(Hongqi)」を展開する第一汽車集団(FAW)が、次世代バッテリー技術において大きな節目を迎えました。
ニュースの要点
- 実車試験への移行: 2025年12月31日、独自開発の全固体電池パックを搭載した試作車「天宮06(Tiangong 06)」がラインオフしました。これにより、研究室段階から実走行試験フェーズへ移行しました。
- 開発の進捗: 470日間の集中開発により、硫化物系固体電解質の採用や、10Ahから60Ahへのセル大容量化に成功。モジュールの軽量化技術も進展しています。
- 今後のスケジュール: 2027年までにフラッグシップモデル(セダンおよびSUV)への限定的な搭載を開始し、実用化を目指す計画です。
💡 関連情報:なぜ「全固体電池」が注目されるのか?
紅旗が開発を急ぐ背景には、現在の主流であるリチウムイオン電池(液系)が抱える課題を解決できる可能性があります。
| 特徴 | 全固体電池のメリット |
| 安全性 | 電解液が燃えにくい固体のため、発火リスクが極めて低い。 |
| エネルギー密度 | 同重量でより多くの電力を蓄えられ、航続距離を大幅に伸ばせる。 |
| 充電速度 | 高出力充電に強く、従来の数分の1の時間で充電完了が可能。 |
| 耐候性 | 低温環境下での性能低下が少なく、冬場の航続距離減少を抑えられる。 |
中国EV市場の競争状況
現在、中国では「全固体」に近い半固体電池(液体を少量含む)の搭載車がすでに登場しています。
- NIO(蔚来汽車): 150kWhの半固体電池を搭載し、航続距離 1,000km 超を達成。
- IM Motors(智己汽車): 上汽集団傘下。半固体電池搭載モデル「L6」を発表済み。
紅旗が目指す「全固体(All-Solid-State)」は、これらよりもさらに技術的ハードルが高く、トヨタや日産、ホンダなどの日本勢も2020年代後半の投入を目指して激しい開発競争を繰り広げています。
まとめ
紅旗の「天宮06」による実車試験の開始は、理論上の技術が量産車へと一歩近づいたことを意味します。2027年の実用化に向けて、今後は「製造コストの削減」と「大量生産プロセスの確立」が最大の焦点となるでしょう。


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