リチウムイオンを超えて。2026年、データセンターとグリッドを支える長時間貯蔵の新潮流

Battery技術

2026年は、リチウムイオン電池が主流を維持しつつも、地政学リスク、AI需要、安全規制によって「代替技術」と「国内回帰」が加速する年となります。

1. 長時間貯蔵(LDES)が戦略的必需品に

  • 背景: 再生可能エネルギーの普及とAIデータセンターの急増により、数時間ではなく「十数時間〜数日間」の電力を維持できる貯蔵能力が求められています。
  • 技術: フロー電池などの代替化学物質が、劣化の少なさ(1日に複数回の充放電が可能)と長寿命を武器に、データセンターのバックアップ電源として注目されています。

2. 「脱リチウム・脱中国」への圧力

  • 政策的要因: 米国のFEOC(外国懸念事業体)規制や関税政策により、中国製部品への依存がコストとリスクの増大を招いています。
  • 代替物質: ナトリウムイオン電池や不燃性のフロー電池など、リチウムやコバルトなどの希少金属に依存しない化学組成への投資が本格化しています。

3. 安全性と不燃性の重視

  • 火災リスクへの対応: カリフォルニア州などの山火事多発地域や、都市部のデータセンターにおいて、「燃えない電池」への評価が調達基準に組み込まれ始めています。
  • 設計の進化: バッテリー管理システム(BMS)へのAI導入により、熱暴走の予兆検知や寿命予測の精度が向上しています。

4. 循環型サプライチェーンの確立

  • 国内リサイクル: 材料回収から製品化までを国内で完結させる「クローズドループ」が、持続可能性だけでなく、FEOCコンプライアンス遵守のための必須条件となっています。

関連・補足情報:市場を動かすキーワード

1. FEOC(Foreign Entity of Concern)規制

米国インフレ抑制法(IRA)に基づく規制で、中国、ロシア、北朝鮮、イランが所有・管理する企業から調達した材料を含む電池は、税額控除の対象外となります。2025年1月からのトランプ政権による関税強化(蓄電池コストが56から69%上昇と推定)が、この動きをさらに加速させています。

2. データセンターと「銀行融資可能性(Bankability)」

AIブームにより、データセンター運営者は「24時間365日の安定稼働」を保証できる蓄電池を求めています。単なる大容量だけでなく、長期の運用実績や信頼性(銀行が融資を承認できるレベルの品質)が、技術採択の決定打となっています。

3. フロー電池の優位性

リチウムイオン電池は充放電を繰り返すと電極が劣化しますが、電解液を循環させるフロー電池は物理的な劣化が極めて少なく、15から20年以上の長期間、性能を維持できるため、産業用の長期貯蔵に適しています。

出典:https://www.ess-news.com/2026/01/02/whats-next-for-battery-technology-in-2026/

コメント

タイトルとURLをコピーしました