インドBESS市場の夜明け:2025年、蓄電池は「実験」から「グリッドの主役」へ

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2025年、インドの蓄電池市場は「試験運用の段階」を終え、国家インフラの「中核資産」へと進化しました。

1. 導入規模の拡大と政策の統合

  • フェーズの移行: 小規模な実証実験から、数GWh規模の大型入札(SECIのハイブリッド入札やラジャスタン州の独立型BESSなど)へと市場が拡大しました。
  • 国家目標: インド中央電気庁(CEA)は、2030年までに非化石燃料500GWの目標を達成するため、数十ギガワット規模のBESSが必要であると予測しています。

2. 経済性とビジネスモデルの成熟

  • コスト低下: 貯蔵料金の全国ベンチマークが更新され、補助金(VGF:実現可能性ギャップ資金)の上限が引き下げられるほど、商業的な自立が進んでいます。
  • 収益の多層化: 単なるピークシフトだけでなく、周波数制御などの補助サービス、複数の再生可能エネルギー(太陽光・風力)との組み合わせによる収益最適化が進んでいます。

3. 技術の高度化と国産化(Make in India)

  • 統合システム化: 単体バッテリーではなく、PCS(電力変換システム)、EMS(エネルギー管理システム)、防火機能を統合した「オールインワン」のエンジニアリング製品が主流となっています(例:Delta社の5MWhコンテナ型BESS)。
  • 用途の多様化: EV充電インフラ、データセンター、地下鉄のバックアップ電源、火力発電所の柔軟性向上など、活用範囲が急拡大しています。
  • 現地生産: 政府の生産連動型優遇策(PLI)により、セル製造の国内拠点化が進み、輸入依存からの脱却が図られています。

関連・補足情報:インドが蓄電池を急ぐ3つの理由

1. 深刻な「ダックカーブ」問題

インドでは太陽光発電が急増していますが、夕方の需要ピーク時に供給が不足する「ダックカーブ現象」が顕著です。2025年にはこの需給ギャップが限界に達しつつあり、4時間程度の長時間ストレージ(Long Duration Storage)の整備が急務となっています。

2. 世界最大級の揚水発電とのハイブリッド

インドはBESSだけでなく、大規模な揚水発電(Pumped Storage Projects: PSP)の計画も進めています。

  • BESS: 短時間の変動調整や急速な需要変化に対応。
  • PSP: 長時間のエネルギーシフトに対応。 この両輪でグリッドの安定化を図るのがインド独自の戦略です。

3. モビリティとグリッドの融合(V2G)

インドは世界最大の二輪・三輪車市場の一つです。BESS技術の向上は、これらの電動化(EV)を支えるだけでなく、将来的には「走る蓄電池」としてグリッドに電力を戻すV2G(Vehicle-to-Grid)構想の基盤にもなります。

出典:https://www.ess-news.com/2026/01/05/top-5-trends-shaping-indias-battery-energy-storage-market-in-2025/

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