中国のバッテリーメーカー、ファラシス(Farasis Energy、孚能科技)は、中国のEV大手であるGAC Aion(広汽アイオン)の欧州市場向け主要モデル2車種に対し、総容量10GWhを超える大規模なバッテリー供給契約を獲得したことを発表しました。
📝 記事の要点
| 項目 | 詳細 |
| バッテリーメーカー | ファラシス(Farasis Energy、孚能科技) |
| EVメーカー | GAC Aion(広汽アイオン) |
| 供給対象モデル | Aion VおよびAion UTの欧州仕様モデル |
| 供給量 | 総受注容量10GWh超(100kWhバッテリーパック搭載EV約10万台分に相当) |
| バッテリー技術 | **SPS(Super Pouch Solution)**リン酸鉄リチウム(LFP)バッテリーシステムソリューション |
| SPSの特徴 | 大型ポーチセルとシステムを活用。長距離、急速充電、高い安全性、低コスト、高い適応性、拡張性を提供。 |
| 意義 | ファラシスのSPSバッテリー製品にとって、海外市場における大きな進歩となる。 |
| 市場シェア | ファラシスは中国国内の市場シェアは比較的小規模(10月は三元系で12位、全体トップ15圏外)。 |
🔎 関連情報の補足:SPS技術とLFPバッテリーの国際市場進出
この契約は、中国のバッテリーメーカーが技術力とコスト競争力を武器にグローバル市場、特に欧州市場への進出を加速させている現状を象徴しています。
1. SPS(Super Pouch Solution)の技術的意義
- ポーチ型セルの優位性: ファラシスが採用する「ポーチ型(パウチ型)セル」は、エネルギー密度を高めやすく、熱放散性に優れているのが特徴です。
- システム効率の向上: SPSは、大型のポーチセルを効率的に統合するシステムソリューションであり、**「Super Pouch」**の名前が示す通り、バッテリーパック全体のエネルギー密度(システムレベル)を高め、製造コストを下げることを目指しています。
- LFPとの相乗効果: LFP(リン酸鉄リチウム)バッテリーは、三元系(NMC/NCA)に比べてエネルギー密度は低いものの、安全性とコスト効率に優れています。SPS技術でLFPのエネルギー密度をシステムとして底上げすることで、LFPの長所(安全性と低コスト)を活かしつつ、欧州で求められる航続距離のニーズに対応しようとしています。
2. LFPバッテリーの世界的トレンド
- コストと安全性: LFPバッテリーは、ニッケルやコバルトなどの高価なレアメタルを使用しないため、原材料コストが低く、熱安定性が非常に高いため安全性が優れています。
- 採用車種の拡大: かつては航続距離が短い廉価なモデルに限定されていましたが、技術革新(例:CATLのブレードバッテリーなど)により性能が向上し、現在ではテスラ、フォード、フォルクスワーゲンなど、欧米の大手自動車メーカーがエントリーモデルや商用車にLFPの採用を拡大しています。
- 中国企業の優位性: LFPの技術開発と製造は、中国のCATLやBYDが世界的にリードしており、ファラシスの今回の契約も、中国メーカー全体の技術的な優位性を示すものです。
3. GAC Aionの欧州戦略
- GAC Aionの成長: GAC Aionは、中国の広州汽車集団(GAC Group)傘下のEV専門ブランドで、中国国内では急速にシェアを拡大している有力なEVメーカーの一つです。
- 欧州市場への本格参入: GAC Aionは、世界最大級のEV市場である欧州への本格的な参入を計画しており、今回のファラシスからのバッテリー供給は、その戦略的な動きの一環です。欧州市場で競争力を得るためには、コスト効率に優れ、かつ安全性の高いLFPバッテリーの採用が重要と判断したと見られます。
💡 まとめ
ファラシスによるGAC Aionへの10GWhを超えるLFPバッテリー供給契約は、同社のSPS技術が海外市場で評価されたことを示しています。これは、コスト優位性と安全性を兼ね備えたLFPバッテリーが、中国メーカーの技術力向上によって欧州のEV市場で存在感を増しているという、グローバルなEV産業のトレンドを裏付ける動きです。ファラシスは、中国国内では小規模ながら、GACグループとの長期的な協力関係と独自のSPS技術を武器に、海外市場で飛躍を狙っています。
出典:https://cnevpost.com/2025/12/05/farasis-to-supply-batteries-gac-aion-european-models/


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