スバルは、当初掲げていた積極的な電気自動車(EV)へのシフト戦略を見直し、ハイブリッド車(HV)へのリソース配分を強化する戦略転換を発表しました。これは、主要市場である米国での市場環境の変化と、HV需要の増加に対応するための措置です。
📰 発表された戦略変更の要点
- 投資予算の再配分: 2030年までの電動化予算として確保していた1兆5000億円(約84億ユーロ)の資金配分を見直し、EVへの投資を減らし、ハイブリッド車への資金配分を増やす方針です。
- EV本格量産投資の時期延期: 大崎篤社長は、「ハイブリッド車の需要増加と内燃機関の再評価を踏まえ、EVの本格量産投資時期を遅らせることが適切と判断した」と述べています。
- 自社開発EVの延期検討:
- トヨタと共同開発中の4車種の電気SUV(2026年末までに発売予定)については、計画通り継続します。
- しかし、当初2028年までに自社開発を予定していた4車種のEVの導入は、延期を検討しています。
- 販売目標の非公開化: 2030年までに年間60万台(世界販売台数の50%)をEVで達成するという公式目標を、今後は公に更新しない方針となりました。
- 米国生産計画: 2027年からの米国でのEV生産開始計画に変更があるかどうかは、記事時点では明らかにされていません。
📊 関連情報:戦略転換の背景と市場環境
スバルが戦略を修正した背景には、特に主要市場の米国を中心としたグローバルな市場の動向と、過去の戦略との整合性の問題があります。
- 米国市場でのEV需要の減速: 2023年後半から米国では、高金利や充電インフラへの懸念、車両価格の高さなどから、消費者のEVへの移行ペースが鈍化しています。このため、メーカーはBEV(バッテリーEV)の生産拡大計画を一時的に見直す動きが強まっています。
- ハイブリッド車の再評価と人気: EVの本格普及までの「つなぎ」として、燃費効率が良く航続距離の不安がないハイブリッド車が、多くの消費者に再評価され、需要が世界的に伸びています。スバルは、この現実に合わせて資源を集中させる判断をしました。
- 過去の積極的なEV戦略: スバルは2023年に、2030年にEV比率を50%(60万台)に引き上げ、2028年までに合計8車種のEVを投入するという、それ以前の計画(電動化率40%)から大幅に踏み込んだ戦略を発表していました。今回の発表は、この積極的過ぎた目標からの現実的な軌道修正と見られます。
- トヨタとの連携の継続: スバルのEV戦略は、初のEVである「ソルテラ」をはじめ、トヨタとの提携が基盤となっています。共同開発EVの計画が継続されることは、両社の技術提携関係が今後も電動化戦略の中心となることを示唆しています。
結論として、スバルの戦略転換は、EVシフトの初期段階における市場の「踊り場」の状況を反映したものであり、短期的には高い需要が見込まれるハイブリッド車で収益を確保しつつ、将来的なEVの本格普及に向けた投資のタイミングを慎重に見極めるという現実的な判断と言えます。
出典:https://batteryindustry.net/subaru-shifts-strategy-toward-hybrid-vehicles-over-full-evs/


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