ProLogiumは創立20周年を迎え、従来の固体電池の概念を覆す革新的な技術プラットフォームを発表しました。
1. 革新技術「超流動化全無機固体リチウムセラミック電池」
従来の液体電解質や、研究が進む硫化物系固体電池とは一線を画す独自の構造を採用しています。
- 構成要素: 超流動化全無機固体電解質、全セラミックセパレーター、全シリコンアノードを統合。
- 圧倒的な性能:
- エネルギー密度: 最大860Wh/L。
- イオン伝導率: 57 mS/cm(従来の液体や硫化物系の約5倍)。
- 超急速充電: 4から6分で60から80%の充電が可能。
- 耐環境性: 外部圧力をかけずに性能を維持でき、極低温下でも高い航続距離を保つ。
- 究極の安全性: 不燃性材料に加え、異常時に活物質を安定化させる「アクティブセーフティメカニズム(ASM)」を搭載。熱暴走のリスクを根本から排除した「受動的に低リスクな」電池を実現。
2. 多角的な市場展開
EV(電気自動車)だけでなく、高い安全性とエネルギー効率が求められる広範な分野へ進出します。
- 対象分野: 建設機械、電動バイク、ヒューマノイドロボット、AIデータセンター向けエネルギー貯蔵システム(ESS)、eVTOL(空飛ぶクルマ)、船舶。
3. フランス「ダンケルク・ギガファクトリー」のロードマップ
欧州での供給体制を強化するため、フランス工場の建設を加速させます。
- 2026年: 正式起工、建設開始。
- 2028年: 第1フェーズ完成、第4世代電池(0.8 GWh)の量産開始。
- 2030年: 4 GWh規模でフル稼働。
- 2032年: 総容量12 GWhに到達(将来的に最大48 GWhまで拡張可能)。
関連・補足情報:固体電池市場の現状とProLogiumの優位性
全固体電池は「電池の聖杯」と呼ばれ、世界中のメーカーが開発を競っています。ProLogiumの発表には、以下の重要な背景があります。
1. 3つの主要固体電池方式との違い
現在、固体電池は主に以下の3つの電解質方式で開発されていますが、ProLogiumはこれらすべてを凌駕すると主張しています。
- 硫化物系: イオン伝導性は高いが、水に触れると有毒な硫化水素が発生するリスクがある。
- 酸化物系: 化学的に安定しているが、硬いため界面の接触(イオンの移動)を保つのが難しい。
- ポリマー系: 製造は容易だが、高温で作動させる必要があり、エネルギー密度が低い。
ProLogiumの優位性: 「超流動化」技術により、固体でありながら高いイオン伝導性と量産性を両立し、これまで課題だった「高い外部圧力の必要性」を解消しています。
2. フランス・ダンケルクを選んだ戦略的理由
- 電力コストと脱炭素: フランスは原子力が豊富で低炭素な電力を安価に利用できるため、電池製造時のCO2排出量を抑えられます。
- 物流の要所: ダンケルク港に直結しており、原材料の輸入と、欧州全域の自動車メーカーへの輸出において圧倒的な物流コストのメリットがあります。


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