オーストラリアの鉱業大手**フォーテスキュー(Fortescue)は、西オーストラリア州ピルバラ地域の鉄鉱石事業の脱炭素化を目標に掲げ、ノーススタージャンクション(NSJ)に初の大規模バッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)**を納入しました。これは同社の野心的な脱炭素化ミッションにおける重要な節目となります。
1. ノーススタージャンクション(NSJ)BESSの概要
NSJに設置されたBESSは、今後数年間で導入が計画されている4~5GWhという大規模貯蔵システム群の第一弾です。
| 項目 | 詳細 |
| 場所 | ノーススタージャンクション(NSJ)、ピルバラ(西オーストラリア州) |
| 納入企業 | フォーテスキュー |
| システム提供 | BYD(比亜迪) |
| バッテリー技術 | BYDの先進的なブレードバッテリー |
| 構成 | 48個のエネルギー貯蔵コンテナ |
| 総容量 | 250MWh |
| 出力 | 最大50MWを5時間供給可能 |
| 目的 | 日中に生成された再生可能エネルギーを貯蔵し、夜間に「ピルバラ・エネルギー・コネクト(PEC)」ネットワークに電力を供給する。化石燃料による発電を置き換え、グリッド安定性を提供する。 |
2. BYDブレードバッテリーの優位性
このシステムに採用されているBYDのブレードバッテリーは、以下の点でフォーテスキューの要件を満たしています。
- 安全性と信頼性: 高い安全性、信頼性、パフォーマンスを実現するように設計されています。
- 過酷な環境への適応: ピルバラ特有の高温・過酷な条件で効率的に動作するため、液体冷却システムが搭載されています。
3. フォーテスキューの脱炭素化戦略と今後の計画
フォーテスキューのCEO、ディノ・オトラント氏は、「鉱山の電力供給方法を根本的に変える」一歩であると述べ、これらのシステムによってディーゼル燃料とガスの使用を削減し、再生可能エネルギーによる鉱山運営が可能になると強調しました。
- パイプライン: 次のBESS設置はエリワナで計画されており、2026年初頭に120MWhのシステムが納品・設置される予定です。
- 再エネ供給網の整備: PECプロジェクトの一環として、以下のインフラ整備も進行中です。
- クラウドブレイク太陽光発電所(190MW): 現在、ほぼ半分が完成。
- 送電線: 460キロメートルを超える送電線を建設中。
関連情報(BESS市場とBYDのブレードバッテリー)
- グローバルBESS市場の急拡大: 再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、世界のBESS市場は急速に成長しています。特に鉱業や産業用途では、変動性の高い太陽光・風力発電を安定的に使用するための大容量貯蔵が不可欠となっています。
- BYDブレードバッテリーの応用: BYDのブレードバッテリー(LFP:リン酸鉄リチウム)は、元々EV(電気自動車)向けに開発されたもので、従来のバッテリーよりも長い形状でセルをパックに組み込むことで、安全性とエネルギー密度を向上させています。その安全性とコスト効率の高さから、EVだけでなく、今回のように大規模な定置用エネルギー貯蔵システム(BESS)への応用が世界的に進んでいます。
- 鉄鉱石セクターの脱炭素化: 鉄鉱石採掘は、大量のエネルギーを消費し、特にディーゼル燃料への依存度が高いため、主要な排出源となっています。フォーテスキューのような大手企業が再生可能エネルギーとBESSを組み合わせたアプローチを取ることは、グローバルな鉱業セクターの脱炭素化のモデルケースとして注目されています。
フォーテスキューがBYDと協力して進めるこの大規模なBESS導入は、鉱業における脱炭素化の具体例として非常に重要です。


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