Svolt Energyは、エネルギー密度と安全性を両立させた半固体電池の大量生産と出荷を2026年に開始する計画を発表しました。これは、高性能かつ安全な次世代EVバッテリー市場における中国企業の主導権争いを加速させる動きです。
📅 量産計画と製品ロードマップ
| 世代 | エネルギー密度 | 形状 | 計画/現状 | 備考 |
| 第1世代 | 270 Wh/kg | 角型セル | 開発完了、Cサンプル試作間近。2026年に量産出荷開始予定。 | 欧州EVブランド、中国国有企業eVTOLプロジェクトに搭載予定。専用生産ライン(2.3 GWh)を確立済み。 |
| 第2世代 | 400 Wh/kg | セル | 現在開発中。 | |
| 将来目標 | 450 Wh/kg | パウチセル | 2028年までに開発完了予定。 |
💡 半固体電池技術の優位性
Svoltの会長兼CEOであるヤン・ホンシン氏によると、半固体電池技術は、従来の三元系リチウム電池が抱える最大の課題、すなわち**安全性(熱安定性)**の問題を解決するために導入されます。
- 安全性向上:
- 熱暴走によるEV火災の最大70%が三元系リチウム電池によるものと指摘されています。
- Svoltは、不燃性・非腐食性の固体電解質を導入することで、熱安定性を大幅に向上させます。
- 高性能の維持:
- 安全性を向上させつつも、性能を犠牲にしたり、製造コストを上げたりすることなく実現できるとされています。
🤝 主要な顧客と応用分野
Svoltの第1世代半固体電池は、既に複数の重要な採用事例を獲得しています。
- 欧州の有名EVブランド: 供給契約を獲得しています。報道によると、これはBMWのサブブランドである「ミニ」の次世代モデルへの供給で、2027年に大量供給が計画されているとされています。
- 電動垂直離着陸機(eVTOL): 中国の国有企業によるeVTOLプロジェクトに搭載される予定であり、高エネルギー密度と安全性が求められる航空分野での応用も視野に入れています。
🇨🇳 中国国内の競合と動向
Svoltの発表は、中国における固体電池・半固体電池の開発競争が本格化していることを示しています。
- 東風汽車(Dongfeng Motor): 2025年世界電力電池会議において、エネルギー密度350 Wh/kgの車両搭載用固体電池を2026年9月に量産開始し、航続距離1,000 kmを目指すと発表しました。
- パイロットライン: 東風汽車は既に0.2 GWhの固体電池パイロット生産ラインを稼働させています。
Svolt Energyは、2018年2月に長城汽車(GWM)からスピンオフして設立された大手バッテリーメーカーであり、2025年10月時点で中国国内動力電池市場で第7位のシェア(2.71%)を占めています。
半固体電池は、液体電解質の一部を固体に置き換えることで、従来の液系リチウムイオン電池と完全固体電池の中間に位置づけられ、安全性とエネルギー密度、製造性のバランスを取った「実用的な次世代電池」として注目されています。
出典:https://cnevpost.com/2025/11/17/svolt-volume-deliveries-1st-gen-semi-solid-state-batteries-2026/


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