コストを劇的に削減!水系電解液を用いた充電式アルミニウムイオン電池開発

Battery技術

グリーンサイエンスアライアンス株式会社が、水性電解液を使用した充電式アルミニウムイオン電池を開発しました。この研究成果に関するレビュー記事を執筆した森良平博士は、英国王立化学協会発行の学術誌**『Energy Advances』**の表紙を飾りました。


🔋 開発された電池の概要と利点

この新しいアルミニウムイオン電池は、アルミニウムアノードと水系電解質、そして数種類のカソード材料(酸化物、炭素系材料など)を組み合わせています。

主な利点

  • ⚡️ 極めて安価なコスト:
    • 原料の豊富さ: アルミニウムはリチウムと比べて天然資源として豊富で、最もリサイクルされている金属の一つであるため、原材料不足の心配がなく、安価です。
    • 製造コスト: 電解質に安価な水性電解液を使用し、大気中で製造できるため、製造コストが大幅に抑えられます。従来のイオン液体ベースのアルミニウムイオン電池と比べても、特殊なガスや高価なイオン液体の必要がないため、非常に安価になる可能性があります。
  • 🛡️ 高い安全性: 水系電解質を使用しているため、不燃性で安全です。可燃性で危険な場合があるリチウムイオン電池に比べて安全性が高いです。
  • 📈 理論容量の優位性: アルミニウムイオン電池の理論容量(約 $2980 \text{mAh/g}$)は、リチウムイオン電池(約 $200$~$300 \text{mAh/g}$)の約10倍と非常に高いです。

🧪 現在の性能と今後の課題

開発された電池は、極めて安価であるという大きな利点を持つ一方で、実用化に向けてさらなる改善が必要です。

  • 初期性能: 室温で $0.025\text{C}$ の条件下で、セル容量は初期に約 $103\text{mAhg}^{-1}$ で、約50サイクルまで維持されましたが、その後容量は減少しました。
  • 課題点:
    • セル容量: セル容量は、理論容量を大幅に下回っています。
    • 充放電安定性: 充放電のサイクル安定性をさらに向上させる必要があります。
    • セル電圧: セル電圧は約 $0.7$~$0.8\text{V}$ で、リチウムイオン電池よりも低いですが、これは電気的に直列に接続することで解決可能です。

🌐 背景と関連情報

再生可能エネルギー(太陽光、風力など)の普及には、電気を貯蔵する充電式バッテリーが極めて重要です。このため、従来のリチウムイオン電池よりも強力安価な次世代充電式電池の開発が求められています。

グリーンサイエンスアライアンスは、このアルミニウムイオン電池の開発の他にも、リチウム硫黄電池や全固体リチウムイオン電池など、さまざまな次世代充電式電池技術や材料を開発しており、また、リチウムイオン電池スクラップ(ブラックマス)からのリサイクル型リチウムイオン電池の開発も行っています。

アルミニウムベースの電池(アルミニウムイオン電池、アルミニウム硫黄電池、アルミニウム空気電池)は、その利点からポストリチウムイオン電池の有力候補とされています。

この開発は、エネルギー貯蔵の未来に向けた、安価安全な新しい選択肢を提供する可能性を秘めています。


今後の研究により、この水性アルミニウムイオン電池の容量と安定性が改善されれば、非常に安価な蓄電デバイスとして、再生可能エネルギーの普及に大きく貢献できる可能性があります。

出典:https://www.prnewswire.com/news-releases/green-science-alliance-developed-rechargeable-aluminum-ion-battery-with-aqueous-electrolyte-and-inventor-made-the-front-cover-of-british-academic-journal-302614139.html

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