ゼネラル・モーターズ(GM)は2026年1月8日、米国のEV市場の停滞と政策変更を受け、EV投資計画を大幅に縮小すると発表しました。これにより第4四半期に60億ドル(約9000億円)の減損損失を計上します。
1. 損失の内訳と要因
- サプライヤーへの支払い(42億ドルの現金支出):当初の野心的なEV増産計画に合わせて準備を進めていた部品メーカーや材料サプライヤーに対し、契約解除に伴う和解金や違約金として支払われます。
- 市場環境の激変:2025年9月30日に米連邦政府のEV購入支援策(7500ドルの税額控除)が終了したことで、米国内のEV需要が急落。GMの第4四半期のEV販売台数は前年同期比で43%減少しました。
- 政策転換:トランプ政権による排ガス規制の緩和や、EV普及目標の撤回といった「EV逆風」の政策が決定打となりました。
2. 事業運営への具体的な影響
- 工場の転用:ミシガン州オリオン・アッセンブリー工場でのEV生産計画を事実上断念。需要が堅調なフルサイズSUVやピックアップトラック(内燃機関車)の生産へと切り替えます。
- バッテリー生産の停止:合弁会社(JV)によるバッテリー工場のうち2拠点を6ヶ月間稼働停止。デトロイトのEV専用工場も1シフト体制へと減産します。
- 中国事業の再編:今回の60億ドルとは別に、中国合弁事業の再構築に関連して11億ドルの損失を計上します。
3. 今後の見通し:EVを諦めたわけではない
GMは「2035年までの内燃機関車廃止」という長期目標を公式には取り下げていません。
- 現行モデルの継続: キャデラック・リリックやシボレー・ブレイザーEVなど、現在展開中の約12車種の販売は継続します。
- 投資の「最適化」: 需要が不透明な将来モデルへの投資を凍結・延期し、足元の収益性が高いガソリン車やハイブリッド車(HEV)にリソースを再配分する現実路線へと舵を切りました。
競合他社との比較
GMだけでなく、デトロイトのライバルであるフォードも昨年12月に195億ドルというさらに巨額の減損を発表しています。米国の大手自動車メーカーが足並みを揃えて「EV一本足打法」からの撤退を開始した形です。
| 項目 | GM (General Motors) | Ford (Ford Motor) |
| 減損損失額 | 60億ドル (累計 76億ドル) | 195億ドル |
| 主な理由 | 税額控除廃止、排ガス規制緩和 | モデルe(EV部門)の収益改善遅れ |
| 生産戦略 | EV工場をエンジン車へ転用 | EV専用トラック等の開発中止・延期 |
出典:https://batteriesnews.com/gm-to-take-6-billion-writedown-on-ev-battery-pullback/


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