ライオン・スマート・プロダクション(Lion Smart Production GmbH)は、高性能電気自動車(EV)向けの新型バッテリーモジュールの開発を加速させるため、大手鉱油会社カストロールと提携しました。この提携の核となるのは、両社の**バッテリー直接冷却(浸漬冷却)**に関する専門知識の融合です。
🔋 バッテリー直接冷却の優位性
Lion E-Mobility AGおよびその子会社Lion Smart Production GmbHは、従来の冷却プレートを使用する間接冷却方式ではなく、**バッテリー直接冷却(浸漬冷却)**を自社製品に積極的に採用しています。
- 冷却の仕組み: 軽量な誘電性流体(絶縁性のある液体)がバッテリーセルを直接囲みます。
- 熱放散の効率: これにより、急速充電時などに発生する熱を、従来の冷却プレートよりも直接的かつ効率的に放散できます。従来のシステムが一面または二面でしかセルに作用しないのに対し、直接冷却はセル全体に冷却効果をもたらします。
- カストロールの役割: カストロールは、その熱流体とバッテリー熱管理の専門知識を提供し、「カストロールON EV熱流体」を使用して、最適な放熱、電力密度の向上、バッテリーの寿命と安全性の向上を目指します。
✨ 新型モジュールの特徴と期待される効果
提携により開発される新しいバッテリーモジュールと冷却システムは、以下の特徴と効果を実現するように設計されています。
- 均一な温度管理: 「セル内の均一な温度分布と最小限の温度勾配」を実現し、冷却接触面積を最大化。バッテリーセルの性能を安定させます。
- 安全性: **「シングルセルヒューズ」**を採用し、内部短絡が発生した場合の熱暴走(サーマルランアウェイ)の伝播を低減し、安全性を向上させます。
- 性能向上: 車両のエネルギー回収率の向上を支援し、「システムコストの低減と運用信頼性の向上でより多くの電力」を提供することを目指します。
- 適用範囲: この提携は「次世代PHEV(プラグインハイブリッド車)およびEVバッテリーシステム向けの直接バッテリー冷却」の進歩を目指しており、特にPHEVへの適用も言及されています。
📌 直接冷却技術の一般的なメリット
バッテリーの**直接冷却(浸漬冷却)**は、EVの性能と安全性に大きな変革をもたらす技術として注目されています。
- 冷却性能の向上: 液体がセルに直接触れるため、空冷や間接液冷よりも効率的に熱を除去でき、特に高出力・急速充電時に効果を発揮します。これにより、充電時間の短縮や高密度バッテリーの使用が可能になります。
- バッテリー寿命の延長: 均一な温度管理は、バッテリーセルの劣化を抑え、長寿命化に貢献します。
- 安全性: 熱暴走のリスクを低減し、安全性の向上が期待できます。
- 低温環境での利点: 高温時の冷却だけでなく、低温環境下ではバッテリーを最適な温度まで素早く温めることも可能です。
この技術は、高性能アプリケーションにおける電気性能の限界を押し広げ、電動モビリティ分野の高まる需要に応える次世代ソリューションとして期待されています。
出典:https://batteryindustry.net/lion-smart-collaborates-with-castrol-on-new-battery-module-development/


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