奇瑞汽車のエクシード(Exeed)ブランドは、2026年までに次世代の全固体電池を搭載した新型モデル「烈風(リーフェン)」を投入します。この車両は、従来の電気自動車(EV)が抱えていた「寒冷地での性能低下」と「航続距離の不安」を同時に解決することを目指しています。
1. 驚異的なバッテリー性能と技術
搭載されるのは、自社開発の全固体電池Rhino S(ライノーS)です。
- 航続距離: マイナス30度の極寒環境下でも1,500kmの走行が可能。
- エネルギー密度: 600Wh/kgに到達。これは現在の一般的なリチウムイオン電池(約250から300Wh/kg)の約2倍の性能です。
- 電解質方式: 全固体電池にはポリマー系、硫化物系、酸化物系の3つの主流がありますが、奇瑞は安定性と安全性が高い酸化物系を採用しています。
- 安全性: 釘刺し試験やドリルによる損傷テストでも発火・発煙しない高い耐火性を備えています。
2. 走行性能と車両スペック
烈風は単なる長距離ツアラーではなく、ハイパフォーンマンスカーとしての顔も持ち合わせています。
- プラットフォーム: 800V高電圧アーキテクチャを採用し、超急速充電に対応。
- モーター: 最大30,000rpmの超高速回転モーターを搭載。
- 加速・最高速: 0-100km/h加速は3秒未満、最高速度は260km/hに達します。
- デザイン: 低空気抵抗(Cd値 0.22)を誇る「ONE-BOX」コンセプトのシューティングブレーク形状。
3. 段階的な市場投入スケジュール
奇瑞は全固体電池の実用化に向けて、慎重かつ迅速なステップを計画しています。
- 2025年12月: エクシード ES8(航続距離1,000km)を初の全固体電池搭載モデルとして発表。
- 2026年: 烈風の運用開始。まずは配車サービスやレンタル市場へ投入し、実走行データを収集。
- 2027年: 一般消費者向けの大規模量産を開始予定。
関連背景:中国EV市場の動向
現在、中国では「全固体電池の商業化」を巡る競争が激化しています。
- 競合他社: 最大手のCATLやBYDも2027年頃の小規模生産を目指していますが、奇瑞が2026年に実用化に踏み切れば、業界のフロントランナーとなります。
- 技術的課題: 専門家からは、全固体電池のコストは依然として従来の3から5倍と高く、2026年から2027年が「真に商業化が可能か」を判断する重要な分岐点になると指摘されています。
この烈風の登場は、冬場のEV利用に悩む寒冷地域のユーザーにとって、大きなパラダイムシフトとなる可能性があります。


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