中国政府(商務部、工業情報化部、海関総署、市場監管総署)は、2026年1月1日より、純電気自動車(BEV)の乗用車を対象に厳格な「輸出許可管理(輸出ライセンス制度)」を導入しました。
1. 新ルールの対象と目的
- 対象品目: 駆動用モーターのみを搭載し、車両識別コード(VINコード)を持つ乗用車(HSコード:8703801090)。これにはセダン、SUVだけでなく、9名乗りまでのミニバンや軽EV(貨物仕様含む)も含まれます。
- 主な目的:
- 秩序ある輸出の促進: 「売りっぱなし」でアフターサービスを行わない粗悪な並行輸入業者の排除。
- 国家安全保障と資源保護: 戦略的物資であるEVの流出をコントロールし、中国ブランドの国際的信頼性を維持。
- 品質担保: 輸出企業に対し、中国の国家強制認証(CCC認証)の取得を事実上の前提条件とする。
2. 輸出統計(2025年1〜8月実績)
中国からのBEV輸出は巨大な規模に達しています。
- 世界全体: 輸出額 約222億3140万ドル(約3兆5000億円)、台数 108万台。
- 日本向け: 輸出額 約3億5330万ドル(約555億円)、台数 1万3262台。※日本向けにはBYDのほか、テスラ上海工場製や、国内メーカーが委託生産した軽EV等も含まれます。
関連情報:大阪万博と「認証なきバス」の闇
記事が指摘する最大の懸念点は、日本国内、特に大阪・関西万博でも導入されている中国製EVバスの「認証実態」です。
輸出の「大原則」と矛盾
中国の規定(商産発〔2012〕318号)では、車両輸出の資格として、中国国内の安全基準であるCCC認証の取得が義務付けられています。
- 問題の焦点: 日本の「EVモーターズ・ジャパン(EVMJ)」が輸入する一部の中国製バス(威馳騰汽車製など)は、中国国内での販売許可がない「輸出専用車」として製造されています。
- 疑惑: 中国国内で販売できない=CCC認証を取得していない可能性が高いにもかかわらず、なぜ「輸出ライセンス」が下り、日本へ通関できているのかという不透明なプロセス。
- 安全性の懸念: ガラスなどの個別部品にCCCマークがあっても、車両全体としての認証がない場合、中国当局が保証する安全性の「拠り所」が不明確になります。
ナンバー登録と「輸入の抜け穴」
日本国内では、中国のCCC認証がなくても、日本の保安基準に適合していればナンバー取得(公道走行)は可能です。しかし、製造国である中国側が「認証がない車両の輸出」を厳格化した場合、今後の部品供給や新規車両の輸入がストップするリスクを孕んでいます。
まとめ:今後の注目ポイント
| 項目 | 内容 |
| 2026年1月の変化 | 輸出ライセンスが「努力目標」から「厳格な義務」へ。無許可輸出は刑事罰の対象。 |
| 品質の選別 | 中国政府による「お墨付き」のない小規模メーカーや並行業者が淘汰される可能性。 |
| 日本市場への影響 | 既存の中国製EV(BYD等)は既にライセンスを取得済みだが、特殊な輸入形態をとる商用車・バスは供給停止のリスク。 |


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