LG化学は、全固体電池の性能を最大50%向上させる新しい固体電解質技術を開発しました。これは、漢陽大学のソン・テソプ教授チームとの共同研究による成果です。
- 技術の核: 固体電解質の粒子サイズを精密に制御する技術。
- 課題解決: 従来の固体電解質は粒子サイズが不均一で微細な隙間が生じ、性能低下の原因となっていました。
- 新プロセス: 電解質の製造段階にスプレー再結晶化プロセスを適用。これにより、電解質溶液を微細な液滴に分散させ、溶媒を蒸発させることで均一な球状粒子を生成します。
- 性能向上:
- ベース容量が約15%増加。
- 高率放電容量(急速な高電力供給能力)が約50%向上。
この成果は、次世代電池である全固体電池の商用化に向けた主要なハードルを克服する大きな節目と評価されています。

📝 関連情報:全固体電池と既存技術との比較
LG化学が開発を進める全固体電池は、現在主流のリチウムイオン電池の欠点を解消し、次世代の電池として期待されています。
1. 全固体電池(All-Solid-State Battery: ASSB)
- 定義: 電池の主要構成要素である電解質に固体材料を使用している電池です。
- 主な利点:
- 安全性(低発火リスク): 液体電解質(主に有機溶媒)を使用しないため、液漏れや引火の危険性が大幅に低減します。
- 高エネルギー密度: 電池設計の自由度が高まり、より多くの活物質を充填できるようになるため、エネルギー密度が向上します。
- 長寿命・急速充電: 固体電解質の安定性やイオン移動の特性によっては、充放電サイクル寿命の向上や急速充電への適性が期待されます。
2. 既存のリチウムイオン電池(Lithium-ion Battery: LIB)
- 定義: 正極・負極・セパレーター、そして液体電解質で構成される電池です。
- 課題: 液体電解質が可燃性であるため、過充電や外部衝撃による発火・爆発リスクが存在します。また、エネルギー密度のさらなる向上には限界が近づいています。
今回のLG化学の技術は、全固体電池の性能向上におけるボトルネックの一つであった固体電解質層と電極層の界面抵抗(粒子間の接触不良)を、電解質粒子の均一化によって大きく改善した点が重要です。
🛣️ 今後の商業化ロードマップ
LG化学と電池事業関連会社のLGエナジーソリューションは、この技術を基に開発を加速し、以下の目標を掲げています。
- 目標: 硫化物系全固体電池の2030年までの量産開始を目指す。


コメント