CATL、2.5兆円超のLFP材料を確保:寧波龍貝と過去最大の供給契約を締結

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CATLはリサイクルや代替材料への転換が進む中でも、依然として主力であるLFP(リン酸鉄リチウム)電池のサプライチェーンを盤石にするための大規模な攻勢に出ました。

1. 史上最大級の受注:寧波龍貝(ロンベイ)との提携

  • 契約内容: 2026年第1四半期から2031年までの約6年間で、計305万トンのLFP正極材を調達。
  • 契約規模: 総額1,200億人民元(約172億ドル)以上。これはリチウム業界史上最大級の単一受注と見なされています。
  • 企業の背景: ロンベイは元々、高級EV向けの「三元系(NMC)」材料に強みを持っていましたが、2025年にLFP分野へ参入。CATLの巨大受注により、一躍LFP市場の主要プレーヤーに躍り出ました。

2. 戦略的投資:富林精密(フーリン・プレシジョン)への出資

  • 投資内容: CATLがフーリンの株式5%超を取得し、戦略的投資家として参入。
  • 目的: フーリンが計画している「年間50万トン規模の高性能LFP材料生産プロジェクト」を支援し、優先的な供給枠を確保。
  • ターゲット: EV向けだけでなく、近年急成長している「エネルギー貯蔵システム(ESS)」市場向けの材料確保も視野に入れています。

📈 背景にある「リチウム価格の急騰」

今回のCATLの動きには、原材料コストの激しい変動への強い警戒感があります。

  • 価格の暴騰: 中国内のバッテリーグレード炭酸リチウムのスポット価格が、わずか1ヶ月強で73%(1トンあたり9.5万元→16.4万元)も上昇しています。
  • CATLの戦略: 価格が不安定な市場において、5年以上の長期契約(オフテイク契約)を締結し、さらにサプライヤーの株主になることで、「価格の安定」と「供給の優先権」を同時に確保する狙いがあります。

🔍 関連情報と市場への示唆

① LFP(リン酸鉄リチウム)電池の支配力拡大

三元系電池(ニッケル・マンガン・コバルト使用)に比べ、安価で安全性が高いLFP電池は、テスラをはじめとする主要メーカーの採用が加速しています。CATLがこれほどの巨額投資を行うことは、今後数年間はLFPがEV市場のスタンダードであり続けるという同社の確信を示しています。

② 「2026年問題」への備え

東風汽車やトヨタなどの競合が「固体電池」の量産を2026〜2027年に計画していますが、固体電池は当面コストが高く、普及価格帯のEVには不向きです。CATLは固体電池の研究を進める一方で、現行のLFP技術で圧倒的なコスト競争力を維持し、他社の追随を許さない構えです。

③ 規制当局の視線

今回の172億ドルの巨額契約に対し、上海証券取引所はロンベイに対し、「本当に供給できるのか(生産能力の裏付け)」「価格変動リスクの管理はどうなっているのか」といった詳細な開示を求めています。これは、業界の過熱に対する当局の警戒感も示唆しています。


💡 まとめ:CATLの「全方位型」サプライチェーン

今回の発表は、前日のニュース(固体電池やリバランス技術など)とは対照的に、「今現在のキャッシュカウ(稼ぎ頭)である現行技術を、いかに安定して安く提供し続けるか」という現実的かつ強力な戦略を象徴しています。

出典:https://cnevpost.com/2026/01/14/catl-signs-lithium-order-with-ronbay/

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