米電気自動車(EV)大手テスラが、米国で製造する車両について、サプライヤーに対し中国製部品の使用を排除するよう要求していると、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じました。これは、米中間の地政学的緊張の高まりや関税の変動リスクに対応し、サプライチェーンの「脱中国化」を加速させる動きとして注目されています。
📰 報道の主なポイント
- 要求内容: テスラは、米国向けEV生産において、中国を拠点とするサプライヤーの利用を避けるよう、サプライヤーに求めています。
- 目標: すでに一部の中国製部品の置き換えを進めており、今後1~2年で残りの部品も全て中国製以外に切り替えることを目指しています。
- 背景: 経営幹部は、米中貿易紛争による関税の変動に苦慮しており、価格戦略の策定が複雑化していることが要因の一つとされています。また、関税のリスクを背景に、テスラは2年前から米工場向けに北米での調達を増やしてきました。
- テスラの反応: テスラからの公式なコメントはまだ得られていません。
🌍 関連情報と自動車業界の動き
このテスラの方針は、広がる米中間の緊張が自動車業界のサプライチェーン再編に大きな影響を与えていることを示しています。
- 他のメーカーの追随: ゼネラルモーターズ(GM)も今週、数千社のサプライヤーに対し、サプライチェーンから中国製部品を排除するよう指示するなど、他の米自動車メーカーも同様の動きを見せています。
- 地政学リスクと供給網:
- ドナルド・トランプ米大統領による関税の断続的な導入や、レアアース(希土類元素)のボトルネック、半導体不足の可能性といった懸念が業界全体に動揺を与えています。
- 自動車会社は、部品や原材料の重要な供給源である中国への依存を見直し、供給の安定確保とリスク分散を優先せざるを得ない状況にあります。
- テスラの中国戦略の二重化:
- テスラは、中国の上海工場で「モデル3」や「モデルY」を生産しており、この工場は中国国内市場のほか、アジアや欧州など海外市場への輸出拠点となっています。米国向けとは異なり、上海工場は約400の現地サプライヤーから部品を調達しています。
- 今回の動きにより、テスラは中国向けと米国向けで供給網を二重に持つ形となる可能性が高く、効率性の面では課題が残るものの、リスク分散の観点からは最も安全な体制と考えられます。
- テスラの中国販売動向:
- 中国乗用車協会(CPCA)のデータによると、テスラの中国製EV販売台数は10月に前年同月比9.9%減の6万1,497台となり、9月の増加から減少に転じました。上海工場の生産量も9月から32.3%減少しています。
テスラは、非中国の代替サプライヤーを探すだけでなく、一部の中国系サプライヤーに対し、メキシコなど他地域への生産拠点移転を促しているとも報じられており、関税回避とサプライチェーンの強靭化を同時に図る戦略を進めています。


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