世界最大のバッテリーメーカーであるCATL(Contemporary Amperex Technology Co. Ltd.)は、中国経済の成長が鈍化し、雇用市場に懸念が広がる中で、多数の生産労働者の基本給を引き上げる異例の措置を発表しました。
これは、中国の電気自動車(EV)サプライチェーン、特に製造業の雇用安定性に対し、極めて前向きなシグナルを送るものとして注目されています。
💰 賃上げの詳細と目的
CATLの今回の動きは、優秀な人材の確保と定着、および生産効率の維持・向上を目的としています。
1. 賃上げの具体的な内容
- 対象: 主に組立ライン作業員、ジュニア技術者、サポートスタッフを含むJG1~6等級の従業員。
- 昇給額: 2026年1月1日付で、基本給を**月額150人民元(約21米ドル)**引き上げます。
- 対象従業員数: 2024年末時点でCATLの従業員数は13万1,988人であり、そのうち9万6,725人が最前線の製造労働者(多くがJG1-6等級に該当すると推定されます)。
2. 企業の目的
CATLは、この取り組みが以下の目標達成に役立つと述べています。
- 優秀な人材を引きつけ、維持すること。
- 業務効率と製品品質を高めること。
- 企業の競争力を強化すること。
3. 春節のインセンティブプログラム
- 期間: 2026年2月9日から2月28日の春節休暇期間。
- 内容: 出勤要件を満たす対象従業員に対し、少なくとも3,200人民元の追加ボーナスを支給します。
- 実質収入例: JG2レベルの製造労働者が2月に25日間働いた場合、基本給8,300元を含む月収は1万1,500元に達する見込みです。
🌐 関連情報と市場への影響
中国経済の減速とそれに伴うレイオフの増加が懸念される中で、CATLのような大手が賃上げに踏み切ったことは、単なる企業の方針以上の意味を持ちます。
1. 雇用市場へのポジティブな影響
- 異例の動き: 現在、中国経済では成長が鈍化し、多くの企業でレイオフが日常化しています。その中でCATLが賃上げを行うことは異例の行動として目立ち、EVサプライチェーン全体の雇用市場に安定と楽観的な見通しをもたらすシグナルとなります。
- 人材の質の維持: バッテリー産業は、その技術的複雑性や、最新の587Ahセルのような高効率・高安全性が要求される製品の製造において、熟練した製造労働者の質が製品競争力に直結します。賃上げは、この重要な人材層の流出を防ぎ、質の高い生産体制を維持するために不可欠です。
2. 競争力とコストへの影響
- コストと効率のバランス: CATLは先日、587Ahセルの生産コストを42%削減したことを発表しましたが、今回の賃上げは、そのコスト削減の成果の一部を従業員に還元し、士気を高める狙いがあると見られます。これにより、高い生産効率と製品品質を維持・強化し、長期的な競争力を確保できます。
- 業界標準の設定: CATLの賃上げは、他のバッテリーメーカーやEVメーカーに対し、労働条件の改善を間接的に促す可能性があり、EVサプライチェーン全体の労働者待遇の標準を引き上げる効果を持つかもしれません。
出典:https://cnevpost.com/2025/12/02/catl-raises-wages-production-workers/


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