全固体への中継ぎ役 中国緑発集団、半固体リチウム鉄リン酸電池で大規模導入

Battery技術

中国緑発集団は2025年12月1日、内蒙古自治区烏海市で建設を進めていた半固体リチウムイオン電池蓄電プロジェクトが送電網に接続し、発電を開始したと発表しました。

🌟 プロジェクトの概要と特長

項目詳細補足情報
場所中国 内蒙古自治区 烏海市中国北方地域における大規模な新エネルギー拠点。
事業主体中国緑発集団中国の主要な国有エネルギー企業グループの一つ。
規模20万キロワット (kW) の出力
容量80万キロワット時 (kWh)中国国内で送電網に接続済みの半固体リチウム電池蓄電プロジェクトとしては設置容量の記録を更新
敷地面積約6.67ヘクタール
設備構成蓄電池コンテナ160基、変換・昇圧一体型コンテナ40基
技術独自開発の半固体状態リチウム鉄リン酸電池

🔬 半固体電池技術の優位性

プロジェクトに採用された中国独自開発の半固体リチウム鉄リン酸電池技術は、従来の液体状態のリチウム鉄リン酸電池と比較して、以下の点で優位性があるとされています。

  • 安全性:固体電解質の一部を使用することで、液漏れや短絡のリスクが減少し、安全性が向上。
  • エネルギー密度:同じ体積や重量あたりで蓄えられるエネルギー量が増加。
  • サイクル寿命:充放電を繰り返せる回数が伸び、長期的な信頼性が向上。

💡 プロジェクトの目的と期待される効果

新エネルギー産業の急速な高度化に伴い、電力システムの安定化を図る蓄電技術は、規模拡大の時期を迎えています。この烏海プロジェクトは、電力網の安定運用において重要な役割を果たします。

目的効果の詳細
電力の安定化20万kWの出力と80万kWhの容量を持ち、電力のピーク調整と周波数調整能力を備えます。
クリーン電力の活用年間1億8900万kWhのクリーン電力を電力網に供給可能。
運用効率の向上**「昼間に蓄電し、夜間にピーク調整」**という柔軟な運用が可能となり、電力システムの安定性が著しく向上。
地域のボトルネック解消地元のグリーン電力が「発電でき、安定して送電でき、実際に利用できる」ようになり、新エネルギー使用の主要なボトルネックが解消されます。

📚 関連情報:蓄電技術と半固体電池について

1. 蓄電システム(ESS: Energy Storage System)の重要性

再生可能エネルギー(太陽光、風力など)は天候によって発電量が大きく変動します。この変動を吸収し、電力需要と供給のバランスを保つために、大規模な蓄電システムが不可欠です。このプロジェクトのように、発電と消費の間に蓄電を挟むことで、電力の品質と供給の安定性が高まります。

2. 半固体電池の位置づけ

  • リチウムイオン電池の進化:主流である液体電解質のリチウムイオン電池(LiB)はエネルギー密度向上の限界や安全性の課題があります。
  • 全固体電池への移行段階:究極のバッテリーとされる全固体電池(電解質を全て固体化)は、極めて高い安全性とエネルギー密度を持ちますが、製造技術が非常に難しく、コストも高いため、大規模な実用化はまだ先とされています。
  • 半固体電池のメリット:半固体電池は、液体と固体の両方の特性を持ち、全固体電池へ移行する際の現実的な中間段階として注目されています。既存のLiBの製造ラインの一部を活用しやすく、安全性と性能のバランスが取れているため、今回のプロジェクトのような大規模蓄電やEVなどへの応用が期待されています。

このプロジェクトは、中国がクリーンエネルギーへの移行と電力網の近代化を進める上で、重要な一歩となります。

出典:https://www.afpbb.com/articles/-/3611654

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