中国のバッテリー大手である国軒高科技(Gotion High-tech)が、ドイツの自動車メーカーフォルクスワーゲン(VW)への高性能LFP(リン酸鉄リチウム)およびその他の統合セル(Unified Cells)の大量納入を開始しました。これは、両社の長年にわたる戦略的提携が具現化した重要なステップです。
📰 記事の主要なポイント
- 供給開始と期間:
- 2025年11月20日よりVWへの納入を開始。
- 2026年から2032年まで、高性能LFPおよびその他の統合セルを供給する予定。
- 対象と目的:
- VWの複数のプラットフォームをサポート。
- 統合セル(Unified Cells)は、単一サイズで多様な化学システムに対応し、複数の車両プラットフォームに適用できる標準化されたバッテリーソリューション。
- 技術的特徴:
- 高い互換性、集積効率、急速充電性能、安全保護、低温適応性などの技術革新を組み込む。
- 納入された統合セルは、エネルギー密度、安全性能、コスト管理において世界トップクラスを達成。
- 提携背景:
- VW、同社のバッテリー部門であるパワーコ(PowerCo)、国軒との5年間の戦略的提携に基づく大規模生産。
- VWは現在、国軒の最大の株主であり、長期的な協力関係にある。
- 2021年7月には戦略的協力枠組み協定を締結し、国軒は中国におけるVWの通常生産モデル向けの第1世代統合セルを開発。
- 生産体制:
- 納入式は国軒の本社がある安徽省合肥市で開催。
- 合肥市のユニファイドセルプロジェクトの年間生産能力は20GWh。
- 国軒の市場地位:
- 2023年1月~9月のバッテリー設置量は29.7GWh、世界市場シェアは**3.7%**で世界第7位。
🔗 関連情報・背景
- VWのバッテリー戦略「ユニファイドセル(統合セル)」:
- VWグループは2021年3月の「Power Day」イベントで、EVのバッテリーコストを大幅に削減し、性能を向上させるための包括的な計画を発表しました。この核となるのが**ユニファイドセル(統合セル)**のコンセプトです。
- 統合セルは、現在および将来の多様な化学組成(LFP、高マンガン、高ニッケルなど)に適応できるプリズム型の標準化されたセル形式を採用し、バッテリーの複雑さとコストを削減することを目指しています。
- VWは、パートナーと共同で欧州に合計240GWhの生産能力を持つ6つのギガ工場を設立する計画も同時に発表しており、国軒はそのセル技術サポートの重要なパートナーと位置づけられています。(2021年7月情報)
- 戦略的提携の深化:
- VWは、EV化の加速に伴うバッテリーの安定供給と内製化を目指しており、中国の有力メーカーである国軒高科技との提携を強化してきました。VWが国軒の最大株主となることで、技術開発と供給確保の両面で強い結びつきを構築しています。
- 国軒は、VWのザルツギッター工場でのバッテリーセル生産の工業化においても、セル工場のレイアウト、機械、製造プロセスに関する技術パートナーの役割を担うことになっています。(2021年7月情報)
- LFPバッテリーの重要性:
- 国軒が供給する高性能LFPセルは、航続距離よりもコストと安全性が重視されるボリュームセグメントのEVにとって非常に重要です。VWのEV普及戦略において、LFPセルは不可欠な要素となっています。
この大量供給開始は、VWのEV戦略の実現に向けた大きな一歩であると同時に、世界市場で存在感を高める国軒高科技にとって、グローバルな自動車メーカーの主要サプライヤーとしての地位を確固たるものにする動きと言えます。
今後、VWがこの統合セルをどのプラットフォーム(MEB、SSPなど)に採用し、量産効果がどのようにEVの市場価格に反映されるかが注目されます。
出典:https://cnevpost.com/2025/11/21/gotion-starts-delivering-unified-cells-vw/


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