中国の主要なリチウム電池用電解質サプライヤーであるTinci Materials Technology(天賜材料)は、国内の大手バッテリーメーカー2社との長期供給契約獲得を発表し、株価が急騰しました。
| 項目 | 詳細 |
| 企業名 | Tinci Materials Technology Co., Ltd.(天賜材料、SHE: 002709) |
| 発表日 | 2025年11月6日(現地時間) |
| 契約内容 | 国軒高科(Gotion High-tech)および中国航空工業集団(CALB)との3年間の電解液長期供給契約 |
| 供給期間 | 2026年から2028年まで |
| 供給総量 | 合計159.5万トン(国軒高科:87万トン、CALB:72.5万トン) |
| 概算総額 | 少なくとも330億人民元(約4億6,320万米ドル)* |
| 株価反応 | 発表日翌日(11月7日)に9.3%高で取引を終了 |
| 主要製品 | リチウム電池用電解液および電解質化学品(LiPF6の最大製造拠点) |
*概算総額は、リン酸鉄リチウム(LFP)電池用電解液の現在の平均価格に基づいています。三元系(NCM/NCA)電池用電解液の価格はこれより高くなります。
🔍 関連情報と契約の重要性
1. 受注契約の規模と意義
- 巨大な取引総額: 概算ではありますが、2件の契約総額が330億人民元(約4億6,320万米ドル)に達する見込みであり、Tinciの今後の業績に大きく貢献することが見込まれます。
- 主要顧客との関係強化:
- 国軒高科(Gotion High-tech): フォルクスワーゲン(VW)グループが間接的に約25%を出資する大手バッテリーメーカーであり、VWの欧州車にもバッテリーを供給しています。
- CALB(中国航空工業集団): Contemporary Amperex Technology(CATL)、BYD、LG Energy Solutionなどと並ぶ、世界トップクラスのリチウム電池サプライヤーです。
- 供給安定性の確保: 実際の供給量や価格は今後の注文書で確定されますが、長期契約により、Tinciは安定した販売基盤を、顧客側は主要原材料である電解液の安定供給源を確保できます。
2. ティンチの技術的地位
- LiPF6の最大製造拠点: Tinciは、電解液の主要な機能性成分である**液体六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)**の世界最大の製造拠点を長江沿いの九江に有しています。この主要な原材料における優位性が、大量かつ長期の受注を可能にしています。
3. 拡大するエネルギー貯蔵市場
- 以前の長期契約: Tinciは、この2件の契約に加え、すでに2025年7月と9月にもエネルギー貯蔵バッテリーサプライヤー2社と長期供給契約を締結しており、2030年末までに合計135万トンの電解質および電解質化学品の納入を予定しています。
- 市場需要の反映: 連続する大型長期契約の獲得は、電気自動車市場だけでなく、再生可能エネルギー普及に伴うグリッドスケールのエネルギー貯蔵市場が急速に拡大していることを示しており、電解液の安定的な需要増が見込まれていることを裏付けています。
📊 中国のバッテリー・サプライチェーンの現状
このニュースは、世界のEVおよびエネルギー貯蔵市場における中国企業の支配的な地位を改めて示すものです。
- バッテリー(セル)製造: CATL、BYD、CALB、国軒高科といった中国企業が、世界のリチウムイオン電池の生産と出荷において主要なシェアを占めています。
- 材料供給: Tinciのような中国の材料サプライヤーが、電解液の核心であるLiPF6を含む主要材料のグローバルな生産を支配しており、その生産能力とコスト競争力が、世界のバッテリー産業を支える基盤となっています。
この大型契約は、Tinci Materials Technologyの市場における地位をさらに強固にし、リチウム電池材料市場の成長期待を反映しています。


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