中国のリン酸鉱山会社兼肥料メーカーである**SDロモン(Sichuan Lomon)は、新たなリチウム電池原料工場の建設に3億6,200万人民元(約5,080万米ドル)**を投資する計画を発表し、これを受けて2025年10月24日の株価が上昇しました。
主要な関連情報
| 項目 | 詳細 |
| 企業名 | 四川発展洛鑫(Sichuan Lomon、SD Lomon) (SHE: 002312) |
| 投資額 | 3億6,200万人民元(約5,080万米ドル) |
| 投資対象 | 新たなリチウム電池原料工場(四川省綿竹市の徳陽アバ生態経済産業パーク内) |
| 生産能力 | 年間10万トンのリン酸二水素リチウム |
| 建設期間 | 12ヶ月が見込まれる |
| 発表時期 | 2025年10月23日(昨日遅く) |
| 株価の反応 | 発表翌日(10月24日)に一時8%上昇し、終値は3.7%高の1株11.02元(深セン市場全体は2%上昇) |
| 過去の動向 | 2025年7月初旬にも、高密度LFPと主要原料の生産工場計画を発表しており、4ヶ月以内に2度目のリチウム電池材料プロジェクト発表。 |
プロジェクトと事業戦略の背景
1. 高まるリチウム電池材料の需要と製品特性
- 主要原料: 新工場で生産されるリン酸二水素リチウムは、**高密度リン酸鉄リチウム(LFP)**の製造に用いられる主要原料です。
- 高密度LFPの特徴: 通常のLFP電池よりもエネルギー密度が高く、急速充電性に優れています。
- 市場の活況: SDロモンは、リチウム電池の需要増加によりリン酸二水素リチウム市場が活況を呈しており、上流の原材料生産の必要性が高まっていると分析しています。
- LFP電池の優位性: LFP電池は、世界中で広く使用されている三元リチウム電池と比較して、製造コストが安く、安全性・環境性能に優れているという特徴から、EV(電気自動車)市場での採用が拡大しています。
2. SDロモンの事業拡大戦略
- SDロモンは、自社の強みであるリン酸塩採掘資源とリン化学品製造のノウハウを活用し、リチウム電池材料事業を急成長する新興エネルギー産業の需要に応える形で拡大しています。
- 既存事業: 昨年末時点で、主原料のリン酸鉄を主原料とするLFPの年間生産能力は6万トン(さらに4万トン建設中)、リン酸鉄は15万トンに達しています。
- 提携: 7月初旬の計画では、富林精密(盛華新材料)と共同で、高密度LFP、リン酸二水素リチウム、シュウ酸第一鉄をそれぞれ年間10万トン生産する工場を建設する予定でした。
- 富林精密傘下の盛華新材料は、中国の電池大手である**CATL(Contemporary Amperex Technology)**へのLFP正極材料の主要サプライヤーであるため、この提携は安定した需要を確保する上で重要です。
まとめ
SDロモンが立て続けにリチウム電池材料への大規模な投資を発表したことは、同社が従来のリン酸肥料事業から、急成長するEV向けLFP電池サプライチェーンの上流へと、事業の軸足を本格的にシフトさせていることを示しています。高密度LFPの主要原料であるリン酸二水素リチウムの供給能力を大幅に拡大することで、SDロモンは中国の有力電池メーカーとの連携を強化し、新興エネルギー市場での成長加速を目指す戦略であり、市場もこれを好感し株価上昇につながりました。


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