自動車マネジメントセンター(CAM)による最新の「エレクトロモビリティレポート」に基づき、世界の電気自動車(EV)市場は2025年に大幅な成長が見込まれるという予測が示されています。
この傾向は主に中国市場によって牽引されていますが、欧州市場も力強い成長を示しています。一方、米国市場は成長が鈍化しており、市場の力関係は中国メーカーに有利に傾きつつあります。
📈 主要な調査結果のまとめ(2024年第1四半期~第3四半期)
| 地域 | 新規登録台数(高電動化車両) | 前年同期比成長率 | 市場シェア(高電動化車両) | 特徴 |
| 世界全体 | 約1,280万台 | 約30%増 | – | BEV(バッテリーEV)とPHEV(プラグインハイブリッド)を含む。 |
| 中国 | 889万台(NEV) | – | 52.4%(昨年45.3%) | BEV(545万台)が主流。純粋なBEVの市場シェアは32.1%で好調。BYDが市場シェア14.2%でトップ。 |
| 欧州 | 272万台 | 27.7%増 | 27.4% | 中国に次ぐ第2の市場。国ごとの普及には不均衡が見られる(北欧は高水準、東欧はニッチ)。 |
| 米国 | 122万台 | 8%増 | 10%(昨年9.7%) | 成長が緩やか。税額控除の失効などにより、市場環境の悪化が懸念されている。 |
🌍 中国市場の動向
- 成長牽引役: 新エネルギー車(NEV)の登録台数は889万台に達し、市場シェアは52.4%に拡大。
- BEVの優位性: 純粋な電気自動車(BEV)が545万台と圧倒的。
- 国内メーカーの台頭: BYDが市場シェア14.2%で首位。中国メーカーによる国内生産が多数を占める。
- 競争の激化: 自動車メーカー169社のうち93社が市場シェア0.1%未満で、市場の統合が進む見込み。
- 独メーカーの苦戦: フォルクスワーゲングループは総販売台数で2位だが、中国でのNEV登録台数は51.3%減少と苦戦。
🇪🇺 欧州市場の動向
- 力強い電動化成長: 市場全体が停滞する中で、電動化車両の登録台数は27.7%増。
- 不均衡な発展: 北米諸国ではBEVシェアが30%をはるかに超える一方、東欧などでは普及が遅れている。
- 主要国ごとの差:
- 英国: BEVとPHEVの合計が32%増と好調(モデル拡充、価格低下、インフラ支援策が要因)。
- ドイツ: 46.6%増と最も高い成長率(メーカーのモデル攻勢、フリート導入が要因)。
- フランス: EV新規登録台数は9%減(プラグインハイブリッド車の人気低下が主因)。補助金基準の厳格化も影響。
- 課題: CAMのディレクターは、「2035年内燃機関禁止」の緩和をめぐる議論が消費者の不確実性を高め、市場拡大を妨げていると指摘。
🇺🇸 米国市場の動向
- 成長の鈍化: 成長率はわずか8%増にとどまり、市場シェアも10%と欧州や中国に比べて低い。
- 政治的影響: 税額控除の失効や、トランプ政権下での市場環境悪化の可能性など、政治的要因が今後の減速を招くことが懸念されている。
🚗 世界メーカー別の動向
- 中国メーカーの躍進: BYDはテスラを抜いて世界最大のEVメーカーとなり、納車台数は37%増。吉利汽車もBEV販売が90%近く増加。
- テスラの減速: 納車台数は5.9%減となり、わずかにシェアを落とした。
- ドイツメーカーのグローバルでの健闘: フォルクスワーゲングループは主に欧州市場での人気により、世界全体のEV販売台数を42%増に伸ばした。
🌐 関連情報の補足(2025年の世界市場動向予測など)
CAMのレポート以外にも、複数の調査機関が2025年以降のEV市場について同様の見解を示しています。
- BloombergNEF (BNEF) の予測:
- 2025年のEV販売台数は過去最高を更新すると予測されており、米国の伸びの鈍化を中国と新興国がけん引すると見られています。
- 米国の規制環境の変化を受け、BNEFは乗用EVの世界的普及に関する短期および長期見通しを引き下げています。
- 充電インフラの整備:
- 2025年から2030年の間に約1億5,000万台の充電器が新たに設置される見通しで、公共充電インフラの整備がEV普及の鍵となります。特に欧州や北米では公共充電事業の収益が大幅に増加すると予測されています。
- 普及率の地域差:
- ノルウェー(2024年で新車販売の約92%がBEV)のような北欧諸国で極めて高いEV普及率が維持されており、EV普及は地域によって大きな差があります。
💡 まとめ:2025年の電気自動車市場の展望
2025年、世界の電気自動車市場は中国が最大の成長エンジンとなり、欧州もそれに続く形で力強く拡大すると予測されます。しかし、欧州では政策の議論による不確実性が、米国では市場環境の悪化が、今後の成長ペースに影響を与える可能性があります。
特に、中国メーカーの世界的台頭とテスラのシェア低下が見られ、市場の競争環境は大きく変化しています。グローバルで見ると、EV市場は成長段階にありますが、各地域の政策、充電インフラの整備、そして車両価格の手頃さが、今後の普及の鍵を握ります。
出典:https://batteryindustry.net/cam-study-shows-electric-cars-to-see-significant-growth-in-2025/


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