EVに続き電池も規制へ: 中国政府、過剰生産能力の是正に動く

サプライチェーン

中国政府は、電気自動車(EV)分野に続き、バッテリー産業における「不合理な競争」に対処するための対策を加速すると表明しました。これは、国内での過剰生産能力や価格競争の激化を防ぎ、産業の質の高い発展と秩序あるグローバル展開を促すことを目的としています。


📰 規制強化の主な方針と目的

中国工業情報化部(MIIT)の李楽成部長は、電池業界の起業家向けシンポジウムで、以下の主要な措置を加速すると発表しました。

項目具体的な内容目的
生産能力の監視と規制動力電池およびエネルギー貯蔵電池業界における生産能力の監視、早期警告、規制を強化。過剰な生産能力の拡大や不合理な競争を防ぐ。
製品品質の強化生産の一貫性と製品品質の監視を強化。製品の信頼性を確保し、質の高い産業発展を促進。
知的財産権の保護知的財産権の侵害行為を厳しく取り締まる。技術革新の保護と公正な競争環境の維持。
海外市場の展開指導企業が科学的に生産能力を計画し、合理的かつ秩序ある方法で海外市場を拡大するよう指導。海外市場での無秩序な価格競争や摩擦を回避し、持続的な成長を支援。

MIITが主催したシンポジウムには、バッテリーサプライチェーンに関わる12社の代表者が出席し、生産業務、研究開発、市場競争、知的財産保護について議論が行われました。

📊 規制強化の背景:過熱する市場と原材料価格の変動

中国がこのタイミングで規制強化に乗り出す背景には、EV市場の急速な成長に伴うバッテリー業界の過熱と変動があります。

1. 生産能力の急増と価格競争

中国のEV市場は近年世界を牽引する形で急成長を遂げており、これに伴いバッテリー生産能力も急増しました。これにより、国内市場では競争が激化し、不合理な価格競争や技術開発の質の低下が懸念されています。

2. 原材料価格の極端な変動

  • 2022年: バッテリー需要の急増により、主要原材料である炭酸リチウムの価格が急騰し、2022年11月には一時1トンあたり約60万人民元(約1,260万円)近くまで上昇しました。
  • 2023年以降: その後、供給の増加と需要の調整により、炭酸リチウムの価格は着実に下落し、現在は1トンあたり10万人民元前後で推移しています。

政府は、こうした極端な市場の変動がサプライチェーンの健全性を損なうと判断し、生産能力を計画的に管理することで、市場の安定化を目指しています。

💡 関連情報:EV分野での先行措置

中国政府は、EV分野でも同様に過度な競争を抑制する措置を講じています。例えば、企業間の価格競争が激化する中で、生産基準や技術基準の引き上げ、新興EVメーカーに対する投資規制の強化などを進めており、今回のバッテリー分野での措置は、この一連の「質の高い発展」を重視する産業政策の一環と見なされます。

今回の政府の表明は、世界のバッテリー市場をリードする中国企業に対し、国内競争に終始せず、計画的かつ技術力を伴った形でグローバル市場に進出するよう促すメッセージと言えます。

出典:https://cnevpost.com/2025/11/28/china-vows-curb-excessive-competition-battery-industry/

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