台湾の多国籍電子機器メーカーである**フォックスコン(Foxconn)**は、新ブランド「Fox EnerStor」を立ち上げ、住宅、商業・産業(C&I)、および公益事業規模のエネルギー貯蔵システム(ESS)市場に本格参入しました。
| 項目 | 詳細 |
| 新ブランド | Fox EnerStor |
| 発表日 | 2025年10月21日(鄭州でのイベントにて) |
| 目的 | 垂直統合型で世界的に競争力のあるエネルギー貯蔵事業の構築 |
| 対象市場 | 住宅用、商業・産業用(C&I)、公益事業(グリッドスケール)規模 |
| 戦略的位置づけ | フォックスコンの「3+3+3」戦略ロードマップにおける重要な節目 |
🔋 Fox EnerStorが提供する主要製品と技術的特徴
Fox EnerStorは、幅広い市場ニーズに対応するため、3つの主要なアプリケーション向けに高性能なソリューションを発表しました。
1. 商業・産業用(C&I)システム
| 製品 | オールインワン型 C&Iシステム | 分散型ストリングシステム |
| 容量 | 261 kW / 522 kWh | 4.32 MWh |
| 特徴 | 往復効率 91%、設置面積 1.38 平方メートルのコンパクト設計、低重心、最適化された熱アーキテクチャ。国際認証取得済み。 | 「1クラスター1管理」アーキテクチャ、クラスターごとの独立したPCSと熱管理(温度差 **2.5℃**未満)、パックレベルの独立した防火機能。 |
| ターゲット | 中規模商業顧客 | 中規模から大規模の商用ユーザー |
2. 公益事業規模(グリッドスケール)システム
| 製品 | 9.37MWh コンテナ型ソリューション |
| 愛称 | Energy Beast(エネルギービースト) |
| 容量 | 9.37 MWh(標準的な20フィートコンテナに収容) |
| 特徴 | 独自の「CTR+スタッキング技術」により、従来の製品と比較して容量が87%増加。製造と輸送を簡素化するモジュール式設計、クラスターレベルの分離機能。 |
📈 フォックスコンの優位性と事業戦略
1. 垂直統合とコスト競争力
フォックスコンは、精密製造、サプライチェーン管理、および大規模生産のノウハウをエネルギー貯蔵分野に適用することで、垂直統合型の優位性を確立しようとしています。
- コスト目標: 大量生産と規模の経済性により、システムコストを現在の業界ベンチマークより約 15% 低い 1.2 人民元/Wh まで下げることが可能と主張。
- 競争優位: この低コスト戦略により、Fox EnerStorはCATL、BYD、テスラといった既存の市場リーダーと、C&Iおよびグリッドスケールの入札で競争できるポジションに立ちます。
2. 「システムレベルの安全防御フレームワーク」
フォックスコンは、エネルギー貯蔵における最重要課題である安全性をブランドの主要な差別化要因としています。
- 安全性の理念: 「安全性はストレージ価値における『1』であり、効率性と収益性はそれに続く『0』に過ぎません」と強調。
- 技術的基盤: 独自の**BMS(バッテリー管理システム)とEMS(エネルギー管理システム)**のアーキテクチャを備えた自社製ソフトウェアスタックを開発。
- 多層防御: セル、パック、クラスター、システム全体、スマートモニタリング層をカバーする「システムレベルの安全防御フレームワーク」を構築。
3. グローバルな製造・開発拠点
Fox EnerStor事業は、グローバルな展開を目指し、以下の拠点を基盤としています。
- 研究開発: 上海(R&Dセンター)、武漢(パイロット施設)
- 製造・運営: 鄭州(大規模製造・運用拠点):敷地面積 2万 平方メートル、年間 3 GWh の自動パック組立ライン(ブレード型、角柱型、パウチ型対応)。
- 国際展開: インドのタミル・ナードゥ州に 200 エーカーの土地を確保し、「中国R&D、グローバル製造」モデルに基づき、東南アジアおよび中東市場へサービス提供を計画。


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