中国の主要なバッテリーメーカーである**Sunwoda(欣旺達)**は、2025年新エネルギー電池産業発展会議において、次世代全固体電池技術を発表しました。
| 項目 | 詳細 |
| 発表された電池 | 「Xin Bixiao(新碧暁)」ポリマー固体電池 |
| エネルギー密度 | 400 Wh/kg |
| サイクル寿命 | 1,200サイクル(極低外圧時 1 MPa未満) |
| セル容量 | 20 Ah |
| パイロットライン | 年末までに稼働開始予定。年間生産能力は200 MW。 |
| 電池の種類 | ポリマー電解質を使用した固体電池 |
🚀 関連情報と開発競争の状況
1. 「量産目前」のパイロットライン建設
Sunwodaは、この400 Wh/kgの固体電池「Xin Bixiao」の量産開始が目前に迫っているとし、2025年年末までに年間生産能力が 200 MW の独自のパイロット生産ラインを稼働させる予定です。
全固体電池はまだ開発段階にある企業が多い中、具体的なパイロットラインの建設と稼働時期を明言したことは、Sunwodaがこの分野で先行者利益を狙っていることを示しています。
2. 中国メーカー間の開発競争激化
Sunwodaの発表は、中国における全固体電池の開発競争が激化している状況を反映しています。
- 奇瑞汽車(Chery):Sunwodaの発表に先立ち、自社開発の全固体電池モジュールを発表し、セルレベルで 600 Wh/kgのエネルギー密度を達成したと公表しました。同社は2026年にパイロット運用、2027年に市場投入を目指すとされています。
- EVエナジー(EVE Energy):2025年9月には、ヒト型ロボットや空飛ぶタクシー向けに2026年から全固体電池の生産に乗り出すと発表しています。
Sunwodaの 400 Wh/kg という数値は、競合他社の発表値(例:奇瑞の 600 Wh/kg)と比較すると「わずか」と表現されていますが、実用化・量産化への近さを重視した現実的な目標であると考えられます。
3. 次世代技術と外部連携
Sunwodaは、全固体電池を単独で開発しているわけではなく、材料技術専門企業との連携を強化しています。
- XTC(厦門鎢業)との提携:2024年末に材料専門企業XTCとの提携を発表しました。XTCの**「高安定性電解質フィルム」や「デンドライトフリーリチウム金属アノード」**といった新材料を活用することで、Sunwodaは電池のエネルギー密度と安全性のさらなる向上を目指しています。
- 将来のロードマップ:Sunwoda自身は、エネルギー密度 300 Wh/kg の第1世代半固体電池の開発を完了しており、現在は 400 Wh/kg の第2世代半固体電池の開発にも取り組んでいます。さらに、中国メディアの報道によると、すでに520 Wh/kgの次世代電池も開発中とされており、高い目標を掲げて研究開発を継続しています。
4. 全固体電池の種類
Sunwodaが今回発表したのは、ポリマー電解質を使用した全固体電池です。全固体電池には他に、硫化物電解質や酸化物電解質を使用したバリエーションがあり、それぞれ安全性、エネルギー密度、製造プロセスなどで異なる特性を持っています。ポリマー型は比較的製造が容易である一方、高温での性能維持やイオン伝導率の課題があるとされています。


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