死んだEVバッテリーが蘇る。Battery X Metals、独自の再バランス技術で走行不能なトラックを現役復帰

Battery技術

Battery X Metals Inc. は、独自の「第2世代リチウムイオンバッテリー再バランス調整プラットフォーム」により、使用不能だった電気自動車(EV)の航続距離を劇的に回復させることに成功したと発表しました。

1. 実証試験の主要な成果

深刻なバッテリー不均衡により、フル充電でもわずか100メートル(0.1km)しか走行できなくなっていた軽量電動トラックに対し、再バランス調整を実施した結果、以下の成果が得られました。

  • 航続距離の回復: 1回の充電あたりの平均走行距離が約135.9kmまで回復。
  • 電圧差の改善: 144セルのNMCバッテリーパック内のセル間電圧差を、0.63Vから0.27Vへと大幅に縮小。
  • 実走行性能: 複数の走行試験(市街地・高速混合)において、128km〜140kmの安定した走行を確認。

2. 「再バランス調整(リバランシング)」とは何か?

通常、EVバッテリーは多数の「セル」を連結して構成されています。経年劣化や個体差により、特定のセルだけ電圧が下がると、パック全体の性能がその「最も弱いセル」に引きずられ、使用可能な容量が激減します(これが走行不能の原因)。

  • Battery X社のソリューション: セルを交換することなく、ソフトウェアとハードウェアの制御により、各セルの充電状態(SOC)を均一化。
  • 技術的エビデンス: カナダ国立研究会議(NRC)の検証では、不均衡により失われた容量の約99%を回復できることが証明されています。

📈 市場の背景と商業的意義

EVバッテリーの「2031年問題」

現在、世界のEV市場は急拡大していますが、同時に「保証期限切れ」の車両が急増するという課題に直面しています。

予測指標数値
2024年 世界EV販売台数約1,710万台(前年比25%増)
2031年までの保証期限切れ予測約4,000万台(EV/PHEV/HEV合計)

商用価値:

高額なバッテリーパック全体の交換(数百万円単位)を避け、再バランス調整という低コストなメンテナンスで寿命を延ばすことは、物流フリート(商用車群)の総所有コスト(TCO)削減に直結します。


♻️ その他の戦略的動向:リサイクル技術の強化

同社はバッテリーの「寿命延長」だけでなく、「材料回収」にも注力しています。

  • 世界トップ20大学との共同研究: * 独自技術: 環境負荷の低い「フロス浮選(浮遊選鉱)」技術。
    • 成果: 98%以上のグラファイト回収率と、95〜96%の金属酸化物純度を達成。
    • 最新情報: 研究契約を2027年1月まで延長。次世代バッテリー化学組成への対応や、パイロットスケールでの開発を加速。

💡 まとめ:Battery X Metalsが目指す「360°アプローチ」

同社は、バッテリー金属の「探査」から、今回の発表のような「長寿命化(再バランス)」、そして「リサイクル」まで、バッテリーのライフサイクル全体をカバーするビジネスモデルを構築しています。

今後の注目点: > 今回の成功は「無負荷(荷物なし)」の状態での試験結果です。今後は実際の配送業務のような「積載状態」でのパフォーマンス検証と、商用フリートへの本格導入が焦点となります。

出典:https://www.accessnewswire.com/newsroom/en/metals-and-mining/battery-x-metals-reports-estimated-driving-range-increase-of-135-kilometers-after-1126926

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