ナトリウム全固体電池、リチウムに匹敵! 水素化ホウ素ナトリウムの準安定相で超イオン伝導率を実現

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シカゴ大学を中心とする研究チームは、全固体ナトリウムイオン電池(Na-ASSB)の性能を飛躍的に向上させる、革新的な固体電解質を開発しました。これは、高価で希少なリチウムに代わり、安価で豊富なナトリウムをベースとしながら、リチウム電池に匹敵する性能と安定性を実現する大きな一歩です。この研究成果は2025年10月17日に発表されました。

1.高性能化の鍵:「準安定斜方晶系 Na3(B12H12)(BH4) 相」の安定化

従来のナトリウム系固体電解質の課題は、室温でのイオン伝導性の低さでした。研究チームは、水素化ホウ素ナトリウムをベースとした材料に対し、新たなプロセスを適用しました。

技術の核心具体的な化学式とメカニズム
開発された材料準安定斜方晶系 Na3(B12H12)(BH4) 相
安定化プロセス結晶化状態の材料を加熱し、その後急速冷却することで、本来不安定なこの斜方晶相を速度論的に固定することに成功。
イオン伝導の原理分子動力学シミュレーションにより、アニオン(B12H12^2- や BH4^-)の運動が活発になることで、移動性の高い Na+ イオンの数が増加し、高い伝導性が生まれることが判明。

2.達成された超イオン伝導率とセル性能

この運動学的に安定化された固体電解質は、これまでの報告値を大きく上回る性能を実現しました。

  • 超イオン伝導率: 30℃ で 4.6 mS cm^-1 を達成。これはリチウム系固体電解質に匹敵する、実用的なレベルです。
  • 高エネルギー密度化: 優れた適合性により、厚く高面圧の複合正極(カソード負荷 45 mg cm^-2)をサポート。これにより、電池の理論的なエネルギー密度が大幅に向上します。
  • セル性能: Sn / NaCrO2 セル構成において、3 mAh cm^-2 を超える高い可逆容量を実証。
  • 広い動作温度: 室温から氷点下まで安定した性能を維持し、実用環境での信頼性を確保。

3.今後の展望と意義

この研究は、高性能固体電解質のための実用的な設計戦略(拡散に有利なアニオン骨格の速度論的安定化)を提供します。急速冷却という確立された技術を用いるため、工業生産へのスケールアップが容易であり、より安価で持続可能、かつ安全な次世代エネルギー貯蔵システムの実現に大きく貢献すると期待されています。

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