TDKは、エネルギー貯蔵のイノベーターであるGelion plc(ジェリオン)と、次世代の硫黄電池技術の進歩を目指す全面的協業契約を締結したことを発表しました。
関連情報:
- 協業の主要プレーヤーと技術
- TDK株式会社: 日本に本社を置く世界的な電子機器およびバッテリーメーカー(ティア1サプライヤー)。自動車、産業、民生用など幅広い分野に製品を提供。
- Gelion plc: 硫黄電池技術に特化したエネルギー貯蔵のイノベーター(AIM上場)。
- 技術: Gelionの**硫黄系電池正極活物質(CAM)**を活用した電池技術。
- 共同研究パートナー: ドイツの**マックス・プランク・コロイド・界面研究所(MPI)**が、複数年にわたる協力パートナーシップを通じてこの技術開発をサポートしています。
- 協業の目的と具体的な進展
- プロトタイプ開発: 大型商用ポーチセルプロトタイプ(充電式電池の一種)の開発を加速します。
- 評価と製品適合性の改善: CAMを組み込んだバッテリーの性能をさまざまなアプリケーションで評価し、高出力で長寿命のバッテリーセル開発のリスクを軽減します。
- 製造と商用化: TDKの試作生産ラインへの統合を可能にし、Gelionの硫黄電池プラットフォームをプロトタイプから次世代のモビリティ、航空、エネルギー貯蔵市場向けの商用化準備段階へと進化させることを目指します。
- 試作開始: Gelionは、長野県にあるTDKの工場でポーチセルの試作と実験室規模の材料生産を開始します。今後12ヶ月以内に試作ラインに移行し、製造品質の認定を目指すことが主な目標です。
- 収益化: CAMの供給を通じてGelionの収益化も見込まれます。
- 硫黄電池技術のポテンシャル
- Gelionの硫黄系CAMは、標準的なリチウムイオンやナトリウムイオンバッテリー部品(コインセル)に組み込むことが可能であり、既存のギガワット規模の製造インフラにドロップイン・ソリューションとして統合できる可能性を秘めています。これは、従来の硫黄カソードが抱えていた化学的な非互換性の問題を克服する重要な進展です。
- 両社のコメント
- TDK先端製品開発センター長の榎戸康史博士は、実用的で高性能なソリューションの開発加速と、より持続可能な未来への貢献というTDKの重点分野を強調しています。
- GelionのCEO、ジョン・ウッド氏は、TDKを世界有数のイノベーションセンターと称し、画期的なバッテリー技術の可能性を実現するための協力に期待を表明しています。
まとめ:
TDKは、英国のバッテリー技術企業Gelion plcと包括的な協業契約を締結し、Gelionが開発した革新的な**硫黄系電池正極活物質(CAM)**を活用した次世代バッテリー技術の商用化を目指します。この技術は、長寿命と高出力を兼ね備え、既存のリチウムイオン電池の製造プロセスに適合する可能性があり、硫黄電池の長年の課題を解決するものです。TDKの長野工場を拠点に、両社は今後12ヶ月以内に大型商用ポーチセルのプロトタイプ開発と試作ラインへの移行を進め、電気自動車、航空、エネルギー貯蔵といった広範な市場向けに、業界を変革する可能性のある硫黄電池プラットフォームの確立を目指します。


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