Anaphite社のドライコーティング技術の中核となる特許は、複合材料の製造プロセスに関するものであると特定されます。
1. 特定された特許文献
以下の特許文献は、Anaphite社が出願した初期の特許であり、同社の複合材料技術に関するものです。
- 特許番号(国際公開): WO2019150114A1
- 名称:Process for producing composite material
- (日本語訳: 複合材料を製造するためのプロセス)
- 出願日: 2019年1月30日(PCT/GB2019/050266)
- 出願人: Anaphite Ltd.
この特許は、米国(US16/966,144A)、欧州(EP19704410.0A)、中国(CN201980017222.5A)など、主要な地域でも出願されています。
2. 特許技術の具体的な内容(推定)
上記の特許の要約と、Anaphite社の公開情報(DCP®技術)を組み合わせると、技術の具体的な内容は以下の通りです。
(1) DCP® (Dry Coating Precursor) 技術
Anaphite社の技術の中核は「Dry Coating Precursor(DCP®)」と呼ばれる独自の複合粉末です。
- 複合粉末の組成: DCP®粉末は、電極の構成要素である**活物質(正極/負極)、バインダー(結合剤)、導電助剤(導電材)**が、あらかじめ化学的アプローチによって一体化された粉末です。
- 優位性: 従来のドライコーティング技術では、これらを乾燥した状態で物理的に混合する必要があり、均一な混合や強固な接着が難しかった(テスラの課題と類似)のに対し、DCP®は、粉末の段階でこれらの成分が最適に結合・分散しているため、安定したドライコーティングを可能にします。
(2) 複合材料製造プロセス(WO2019150114A1の概要)
この特許は、グラフェン(または他のナノ炭素材料)などの導電性材料と粒状物質(活物質)を特定のプロセスで複合化し、複合材料を製造する方法を開示しています。
- プロセス:
- グラフェン源と粒状物質(活物質など)を用意する。
- これらを特定の分散液(第一分散流体)に混合し、分散混合物を形成する。
- この分散液に特定の「塩基」源を加えることで、複合材料を生成させる。
このプロセスにより、グラフェンが活物質を包み込むような構造を作り出し、高い導電性と安定性を持つ電極材料が、ドライコーティングに適した形で製造されると考えられます。
この独自の**「化学ベースのアプローチ」**こそが、Anaphiteが従来のドライコーティングの難題を解決し、エネルギー消費を最大30%削減、製造コストを最大40%削減できると主張する根拠となっています。


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