カナダの統合型グラファイト企業であるNouveau Monde Graphite Inc.(NMG)と、パナソニックホールディングスの子会社であるパナソニック エナジー株式会社は、NMGのフェーズ2統合バリューチェーンを通じて生産される**活性陽極材(活物質負極材)**の供給に関する複数年拘束力のあるオフテイク契約を改訂・更新しました。
この契約は、パナソニック エナジーが推進する「より持続可能で信頼性の高い電池材料サプライチェーンの構築」に向けた重要な一歩であり、北米地域での安定調達と責任あるサプライチェーンの確立を目指すものです。
🤝 契約の主要な更新内容
NMGとパナソニック エナジーは、市場環境の変化やNMGの最新の実現可能性調査結果を反映し、既存の商業契約を更新しました。
| 項目 | 詳細 | 意義 |
| 契約期間 | NMGのフェーズ2生産開始から最初の7年間 | 長期的な安定供給の確保 |
| 供給量 | 年間**13,000トン(tpa)**のNMG活性陽極材 | パナソニック エナジー向けの初期生産能力を確定 |
| 原材料の確保 | NMGの将来のマタウィニー鉱山フェーズ2生産分から約25,000トンの黒鉛精鉱を確保 | 原材料から最終製品までの一貫した供給体制を担保 |
| 価格設定 | 将来の市場価格を反映した合意済みの価格算定式と、プロジェクトファイナンス比率を満たすメカニズム | 価格の安定性とプロジェクト資金調達の確実性を両立 |
| パナソニックの支援 | NMGのベカンクール電池材料工場フェーズ2の最終投資決定(FID)における株式投資(2024年予定の初期投資に沿う形)の意向を再表明 | 顧客および戦略的株主としてのNMGプロジェクトへの強い支持 |
🏭 NMGの「鉱石から電池材料まで」の統合バリューチェーン
NMGは、カナダ・ケベック州で「鉱石から電池材料まで(ore-to-anode-material)」を一貫して行う統合型バリューチェーンを構築しています。
- マタウィニー鉱山: 天然黒鉛鉱床から黒鉛精鉱を採掘・生産します(フェーズ2)。
- ベカンクール電池材料工場: マタウィニー鉱山で採掘された黒鉛を加工し、活性陽極材を生産します(フェーズ2)。
この統合バリューチェーンにより、NMGは製品のトレーサビリティと品質管理を徹底し、パナソニック エナジーの厳格な認定プロトコルに従って品質と性能を確認し続けます。
🌎 持続可能性と地域調達の重要性
このパートナーシップの根底には、責任あるサプライチェーンへのコミットメントがあります。
- カーボンニュートラルなプロファイル: NMGは、カーボンニュートラルな先進グラファイト材料を世界経済に供給することを目指しており、積極的な**ESG(環境・社会・ガバナンス)**実践を掲げています。
- 地域に根ざした製造: パナソニック エナジーは、NMGの完全に統合された北米生産とカーボンニュートラルな特性を活用し、信頼性が高く、地域に根ざしたバッテリー製造バリューチェーンを確立するとしています。これは、地政学的リスクを低減し、**北米市場(EV、蓄電システム、データセンターなど)**の緩やかな成長に合わせた供給基盤を固める戦略です。
🗓️ 今後の展望
NMGは、今回のパナソニック エナジーとの契約更新に加え、将来的なフェーズ2マタウィニー鉱山の黒鉛精鉱生産のほぼ100%が複数の顧客に割り当てられていることを明らかにしました。この強力な需要を背景に、NMGは採掘プロジェクト(マタウィニー鉱山)を、電池材料プラント(ベカンクール工場)と同時かそれ以前に**最終投資決定(FID)**に持ち込むことを目指しています。
このニュースは、世界の主要なバッテリーメーカーが、サプライチェーンの多様化と、ESGに配慮した高品質なバッテリー材料の確保に積極的に動いていることを示す具体的な事例です。


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