電池サプライチェーン協議会(BASC)は、2021年4月の設立以来、日本の電池産業の国際競争力強化を目指し活動しています。特に、2023年に発効した欧州電池規制に対応するため、産官学連携で**「日本版電池パスポート」**の構築を急ピッチで進めており、その進捗が「CEATEC 2025」で紹介されました。このパスポートは、電池のライフサイクル全体にわたるトレーサビリティを確保するための重要な取り組みです。
電池サプライチェーン協議会(BASC)と「日本版電池パスポート」の取り組み
1. BASC(電池サプライチェーン協議会)について
- 設立: 2021年4月
- 目的: 電池サプライチェーンにおける健全な発展と国際競争力の強化。
- 特徴: 材料メーカーから自動車メーカーまでを含む、サプライチェーン全体を構成員とする。
- 活動: 業界の共通課題や、業界間の調整が必要な事案(例:電池サプライチェーン情報の連携)について検討を推進。
- CEATEC 2025への出展: 2025年10月14日~10月17日に幕張メッセで開催された「CEATEC 2025」に出展し、「日本版電池パスポート」の進捗状況などを紹介した。(2024年に続き2回目の出展)
2. 欧州電池規制への対応
- 発効: 2023年8月17日
- 概要: 電池に関するカーボンフットプリント(CFP)情報の開示を含む、材料の調達から回収、リサイクル、再利用までの一連のプロセスの可視化を要求。
- 義務の適用開始時期(主要なもの):
- CFPの申告(EV用電池): 2025年2月18日
- デューデリジェンス義務の適用開始: 2027年8月に延期された(当初から変更)
- バッテリーパスポートの導入(EV用電池など): 2027年2月18日から
- 影響: 適用されると、欧州で販売される全ての電動車について、車載電池のライフサイクルに関する情報開示が義務付けられる。
3. 「日本版電池パスポート」の推進体制と仕組み
- 推進団体:
- 自動車・蓄電池トレーサビリティ推進センター(ABtC)の設立: 2024年2月に設立し、同年5月にサービス提供開始。BASC、自動車メーカー、日本自動車部品工業会などが会員として参画。
- 目的: 欧州電池規制などに対応するため、自動車や蓄電池サプライチェーン上の企業間で安全・安心にデータ連携を行う仕組みを構築。
- 基盤技術: 経済産業省、情報処理推進機構(IPA)などが推進するデータ共有アーキテクチャである**「ウラノス・エコシステム」**を活用。
- トレーサビリティサービス: ABtCが運営するデータ連携システムは、ウラノス・エコシステムを活用した第1弾ユースケースであり、CFPデータのサプライチェーン連携・集計・算出を可能にする。
4. 検証の進捗と今後の課題
- 2024年度の検証: EV新車における原材料製造、電池製造、車両製造などのサプライチェーンでのデータ連携を検証。
- 2025年度の検証: 中古車における電池情報の管理・共有の仕組みを検証中。
- その他の検証: リサイクルやリユースについては、別で共有の仕組みの検証が進められている。
- 課題:
- 新車出荷後の情報管理。
- エンドユーザーのもとでの車両走行情報など、電池の状況把握に重要な情報がある一方で、個人情報に深く関わる領域が多く、進め方を検討する必要がある。
- 完全な合意形成を待つことなく、ニーズがある領域から部分的にリリースしていく方針


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