【2026年Q1】世界EVバッテリー市場は「構造転換期」へ。成長鈍化もCATLが独走

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2026年第1四半期の世界のEV(電気自動車)用バッテリー市場は、成長を維持しつつも、これまでの爆発的な拡大から「構造転換期」へと差し掛かっています。アジア勢、特に中国メーカーが圧倒的なシェアを維持する一方で、韓国企業のシェア低下や地域別の需要格差が鮮明になっています。市場調査会社SNEリサーチの最新データに基づき、激変する業界地図を概説します。


世界のバッテリー市場:2026年第1四半期の動向と主要企業

1. 市場全体の成長と鈍化の兆し

  • 生産量と成長率: 世界のEV用バッテリー(BEV、PHEV、HEV含む)の電池セル生産量は、前年同期比9.1パーセント増の244.6 GWhに達しました。
  • 成長の減速: 2025年通年の成長率(31.7パーセント増)と比較すると、成長のペースは大幅に鈍化しており、市場が成熟期または一時的な調整局面に入っていることを示唆しています。

2. 主要メーカーの勢力図

市場の上位10社は依然としてアジア企業が独占しています。

  • CATL (中国): 圧倒的首位。シェアは前年の38.5パーセントから40.7パーセントへ拡大し、生産量は15.2パーセント増の99.5 GWhを記録。テスラの一部受注減を、トヨタや起亜、中国新興勢(Nio、Zeekr等)への供給拡大で補いました。
  • BYD (中国): 世界第2位。しかし生産量は8.0パーセント減の33.5 GWh(シェア13.7パーセント)に留まりました。自社ブランド車の中国国内販売不振が響いた一方、Xiaomi(シャオミ)などの外部顧客への供給は増加傾向にあります。
  • LGエナジーソリューション (韓国): 世界第3位。韓国勢で唯一成長(6.6パーセント増、23.7 GWh)を維持し、シェア9.7パーセントを確保しました。

3. 韓国勢の苦戦と米国市場の影響

韓国主要3社(LG、SKオン、サムスンSDI)の合計シェアは15.6パーセントで、前年同期から2.1ポイント減少しました。

  • SKオン: 10.4パーセント減。フォード F-150 Lightningの生産中止や、米国でのフォルクスワーゲン ID.4の生産終了が直撃しました。
  • サムスンSDI: 27.7パーセントの大幅減。顧客企業の戦略変更や北米市場の需要変動の影響を強く受けています。

関連情報:市場を左右する新たな潮流

SNEリサーチおよび業界の分析によると、2026年は以下の要因が市場を形作っています。

  • 需要動向の二極化: 中国と北米では補助金の変更や市場の飽和により需要が減速していますが、欧州や東南アジア、その他新興国では依然として普及が進んでおり、メーカーは供給先の多様化を迫られています。
  • 「死の谷」とコスト競争: 多くの新興メーカーが量産化の壁(死の谷)に直面する中、CATLやBYDのような垂直統合型メーカーは、価格競争力と次世代電池(ナトリウムイオン電池、全固体電池の試験導入など)への投資で他を圧倒しています。
  • 地域ブロック経済の影響: 米国のFEOC(外国の懸念団体)規制強化により、中国資本の排除が進む北米市場と、中国勢が浸透を強めるその他地域との分断が加速しています。

2026年第1四半期 EV用バッテリー世界トップ10(シェア順)

順位メーカー名市場シェア
1CATL (中国)40.7パーセント
2BYD (中国)13.7パーセント
3LGエナジーソリューション (韓国)9.7パーセント
4CALB (中国)4.8パーセント
5Gotion High-tech (中国)4.2パーセント
6パナソニック (日本)3.7パーセント
7SKオン (韓国)3.7パーセント
8Eve Energy (中国)3.1パーセント
9SVOLT (中国)2.7パーセント
10Sunwoda (中国)2.2パーセント

今後の展望

市場は単なる「拡大」から、技術革新と地域別戦略の「最適化」へとシフトしています。特に2026年後半にかけては、全固体電池の標準化に向けた動きや、ナトリウムイオン電池の量産化、そしてサプライチェーンの再構築が各社の成否を分ける鍵となるでしょう。

出典:https://batteryindustry.net/global-battery-market-expands-9-1-in-first-quarter-of-2026/

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